滋賀中央信用金庫 × インクグロウ
しがちゅうしんビジネスクラブの設立と支援事例
地域金融機関の新たな挑戦
滋賀中央信用金庫 堤部長 清水課長
インクグロウ株式会社 大蔵

左からインクグロウ 大蔵、滋賀中央信用金庫 堤部長、清水課長
「学びの場」としての会員組織変化する地域経済と金融機関の役割
近年、信用金庫を取り巻く環境は大きく変化しています。滋賀中央信用金庫として、どのような課題を感じていましたか?

滋賀中央信用金庫 堤部長
堤部長:信用金庫の役割として、地域企業の成長を支え、地域経済を活性化させることが使命だと感じています。しかし、従来の金融支援だけでは、企業の本質的な課題にアプローチしきれないことが多くなっていました。特に近年、企業の経営環境は大きく変化しています。経営者の高齢化が進む一方でデジタル化の遅れ、人材不足、事業承継などの課題が顕在化しており、中でも、後継者層や若手経営者を中心とした次世代への支援には課題を感じておりました。
清水課長:これまで当金庫では、「しがちゅうしん21世紀の会」という会員組織がありましたが、会は年々高齢化しており、実態としては経営支援よりも懇親目的の活動が中心でした。経営者同士のつながりは生まれても、実際に経営課題を解決する仕組みにはなっていなかったんです。そういった背景から、地域の次世代経営者を囲い込む会をつくり、単なる交流会ではなく、「学び」を中心とした会員組織を立ち上げることで、地域企業の成長を後押ししようと考えました。
インクグロウとの協業—「経営支援の仕組みづくり」
この新たな取り組みを進めるにあたり、インクグロウをパートナーとして選んだ理由を教えてください。
堤部長:インクグロウさんは、全国の金融機関と連携しながら、ビジネスクラブの立ち上げや運営を支援する専門会社です。単に「会をつくる」だけではなく、どのように地域企業を巻き込み、どのような価値を提供するかという「仕組みづくり」に長けていると感じました。
清水課長:最初の打ち合わせで、インクグロウさんの「次世代経営者が学び、成長し、課題を解決できる場をつくる」というコンセプトに共感しました。私たちもこれまで金融機関として経営支援を行ってきましたが、より実践的で、企業の成長につながる取り組みを目指すべきだと考えていました。

滋賀中央信用金庫 清水課長
インクグロウ 大蔵:私たちが意識したのは、「継続的に機能する仕組みをつくり、経営者成長支援のエコシステムを構築すること」です。エコシステムというのは、5年・10年をかけて地域を牽引するような経営者を輩出することで、将来成長された経営者が地域の後輩経営者に知識や経験を還元するという“循環型の仕組み”のことです。多くの金融機関では、経営支援の取り組みが「単発のセミナー」や「一時的な交流会」にとどまってしまいがちですが、それでは企業の持続的な成長にはつながりません。 そのため、今回のビジネスクラブでは、
- 経営者が学び続けられる仕組み(定期的な講演会企画・オンラインプラットフォームの導入)
- 真剣に経営を相談し合える経営者同士のつながり(実践型の経営塾を開催予定・5年~10年後を見据えた地域の経営者コミュニティの形成)
- 信用金庫が主体となって運営できる仕組み(支店長や渉外担当者の関与を強化)
しがちゅうしんビジネスクラブの目的と活動内容
<目的>
経営者または次世代経営者の皆さまの「出会い」と「学び」を創出することで、事業者・地場企業の資質向上や発展に寄与し、地域社会の繁栄に貢献すること
<活動内容>
- 経営者の学びの場としてのセミナー・講演会
- 会員限定で活用可能なWEBコンテンツの導入
- 異業種交流・ビジネスマッチングの促進

発足式の様子
今後の展開とインクグロウの役割
今後のビジョンについて教えてください。
堤部長:当金庫としては、クラブの設立を「スタート地点」と考えています。既に200社以上の経営者が参画していますが、今後は地場の中小企業とともにサステナブルな地域づくりを目指したいと思っています。この取り組みを通して「経営支援のコミュニティが信用金庫の新たな価値になる」ことを証明したいと考えています。
清水課長:また、クラブは誰でも入会できるわけではなく、目的・ビジョンに共感いただける方に限定してご案内をしています。本部で対象先をリストアップし、ターゲット選定の上アプローチするなどして、会員の質を担保しており、今後クラブの軸がブレないように運営をしていきます。

インクグロウ 大蔵
インクグロウ 大蔵:私たちは、単にクラブを立ち上げるだけでなく、信用金庫がこの仕組みを持続的に運営できるよう支援することに重きを置いています。
具体的には、
•他エリアの成功事例の共有(20年以上に渡るクラブ支援ノウハウを基に事例を分析)
•定期的な運営会議の実施(課題の洗い出しと改善策の提示)
•新たな支援策の提案(経営塾の開講、専門家のアサインなど)
こうしたサポートを通じて、しがちゅうしんビジネスクラブが単なる一過性の取り組みではなく、将来的には地域企業同士が学び合う「エコシステム」として機能するよう伴走支援を続けていきます。
インクグロウの運営支援の流れ
他金融機関の成功事例を基に内容協議
会員組織運営の要諦にあてはめ、クラブの仕組みを構築
営業設計
イベントサービス提案営業活動内容のスケジューリング
帯同訪問と支店へのご説明
リニューアル
式典実施
クラブ分析と改善案のご提案
しがちゅうしんビジネスクラブは、単なる交流の場ではなく、次世代経営者が学び、成長し、未来へつながるためのプラットフォームとして誕生しました。インクグロウのノウハウと滋賀中央信用金庫のネットワークを活用し、地域企業の持続的成長を支える経営インフラを構築することを目指します。

懇親会の様子
【お問い合わせについて】
会員組織の運営や以下のような課題を抱えている金融機関のご担当者様がいらっしゃればまずは一度お問い合わせください。
- ・会員組織が高齢化しており、設立当初の主旨と違った活動や運営体制を見直したい
- ・マンネリ化する企画(経営塾等の参加者が毎回同じ)を見直し、活動内容と運営面を強化したい
- ・イベントへの参加やサービスの利用が少なく、コンテンツや組織運営を見直したい
- ・本部の人員不足もあり、会員管理や運営が滞っているため、まずは相談したい
- ・会員組織の設立または、リニュアルを検討している