【セミナーレポート】「難局を乗り越えた経営の秘訣とは?!」を開催~経営者2名に、苦難を乗り越える経営革新(人材育成・組織作り)手法をお話いただきました~
当社は提携する地域金融機関の皆様と共催で、「難局を乗り越えた経営の秘訣とは?!」と称し、主に中小企業経営者様/若手経営者様などが事例をもとに人材育成・組織作りを学べる、オンラインセミナーを開催しました。
当日は前回人数を超える277名のお申し込みを頂きました。本セミナーは2部構成でお送りしました。
第1部:経営「生」事例 セミナー
第2部:セッション企画・難局を乗り越える経営手法を深堀!
■セミナーの様子
第1部:経営「生」事例 セミナー
「組織づくりと人材育成」をテーマに、サクラパックス株式会社 代表取締役社長 橋本 淳氏と牧野電設株式会社 代表取締役 牧野 長氏との2名にご登壇いただきました。ご両名ともに先代から事業継承をした後継者であり、ご自身が直面した課題やそれに対する施策、進めるうえでの苦労や工夫した点等を具体的な事例と併せてお話をいただきました。
橋本社長―――
「継承当初は利己的な考え方に近く、商品をいかに販売するかを考えていたが、
東北の震災を機にあらゆる取り組みをしたこと等を通して考え方が大きく変わっていった。
利己ではなく利他的な考えをベースに事業を企画・展開することで、結果的に利益につながった」
「sakuraizumuという理念を創り、理念の浸透とそれに基づくアクションに注力した。
月次でPDCAをまわす他社様も多いと思うが、週次でPDCAをまわしていくことで、無駄をなくした」
「入社したての従業員などには、まず“掃除”を通して、PDCAをまわし“考える癖”をつけてもらっている」
「サンクスカードで周囲への感謝の気持ちを都度伝え合う環境にしている」
牧野社長―――
「先代時代のトップダウン経営を変えるべく、風通しの良い環境を創ろうと思った」
「働きたいと思う人が誰でも働ける環境を創った。
建設現場ではあまり例のない文系出身者や女性、シングルマザーの採用も始めた」
「やりたいと思うことをかなえてあげられる環境を創ると、結果的に従業員はそれに一生懸命応えてくれるようになる」
「結果として、自らが考えて行動する、自走する組織ができてくる」
上記はほんの一部となりますが、目の前の課題に対して一歩ずつ、工夫を凝らして歩んでこられたことが伝わってきました。ご両名は過去の体験やお考えをもとに、それぞれ著書も出されておりますので、機会がございましたらぜひお目通しくださいませ。
第2部:セッション企画・難局を乗り越える経営手法を深堀!
静岡県立大学教授の落合 康裕氏がモデレータとなり、さらに深堀してお話をおうかがいしました。
1部よりカジュアルな雰囲気となりましたので、お二人からも各局面での素直なお気持ちや笑顔もこぼれていました。
【登壇者プロフィール】
サクラパックス株式会社 代表取締役社長 橋本 淳 氏
1971年5月 富山県富山市生まれ。大学卒後、94年紙商社勤務し95年に米国留学。96年当社に入社、専務、副社長を経て08年5月代表取締役社長に就任。先代のワンマン経営であった組織体質を改善し、現在は「トータルパッケージサービス企業」として事業領域を拡大、北陸屈指の有望企業となっている。著書に『理念ドリブン 旧態依然とした会社を継いだ3代目経営者の組織改革』。
牧野電設株式会社 代表取締役 牧野 長 氏
1980年埼玉県生まれ。2002年、父の経営する牧野電設へ入社。現場代理人として9年間、工事責任者を務め多数のプロジェクトに携わる。2011年、先代社長の急逝に伴い事業承継。建設業界には珍しい文系・女性をターゲットとした新卒採用や、シングルマザーを技術者として育てる取組みがメディアの注目を集める。著書に『小さなブラック工事会社が生まれ変わった2代目社長のすごい組織づくり』。
第2部 モデレーター
静岡県立大学 経営情報学部 経営情報学科 教授 落合 康裕 氏
1973年神戸市生まれ。神戸大学大学院経営学研究科修了。博士(経営学)。事業承継学会常務理事。ファミリービジネス学会常任理事。大和証券、日本経済大学経営学部准教授を経て現職。専攻は経営戦略、事業承継。経営学の視点から事業承継を通じた企業変革やファミリービジネスに関する研究に取り組む。主著に『事業承継のジレンマ』『事業承継の経営学: 企業はいかに後継者を育成するか』など。
■参加者様のコメント
・登壇者の方々、モデレーター様もお疲れ様でした。限られたお時間の中での工夫ありがとうございました。
PDCAでの週間単位での対処方法、特に参考になりました。
・前半の会社の説明がとても内容が濃くもっと聞きたかったです。
など、お役立ていただけたといったコメントを数々頂きました。
一方で、
・(新たな人材層を獲得する施策に取り組んだことはわかったが)その人材を集める手法についても聞きたかった。
といったお声もございましたので、次回以降のセミナーにて改善すべく参考にさせていただきます。
また一部の方から音声の不調についてもご意見賜りました。ご不便をおかけし申し訳ありませんでした。
※ご参加いただきご不便がありました方の中で、フォローアップが必要でしたら事務局までご連絡くださいませ。
(インクグロウ セミナー事務局:info.incgrow@seminarone.com)
■まとめ
「次世代経営者による難局を乗り越えた秘訣」としてご両名ともに共通することは、なによりも人を大切にする経営をしていることでした。
先代の良し悪しに関わらず、後継者として突如現れた方に対して、従業員が大歓迎してくれるとは限りませんし、そうであることの方が難しいと推測されます。後継者として認めてもらえるような環境創りや心配り、そして従業員と同じ方向を見て進んでいくための施策や伝え方の工夫によって、結果として周囲の協力を得られる“自走組織”ができたのだと感じます。
当社は『地域の中小企業を元気にしたい』という志を共有する金融機関とともに、コロナ禍だからこそ『取引先への経営支援/経営情報の提供を止めない!』を合言葉に、今後も積極的に金融機関の垣根を超えたシェアリングセミナーを【著名人セミナー】【次世代経営者向け】【事業承継/M&A】【経済産業省/中企庁連携】等カテゴリーごとで随時開催していく予定としています。次回以降も乞うご期待ください。