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買収のメリット

近年では、多くの企業がM&Aを取り入れており、新聞やニュースなどでM&Aの話題が頻繁に報道されています。
そんなM&Aは、今や企業の成長戦略にとって不可欠な手法と言われていますが、ここでは買収のメリットについてご説明します。

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買収は時間を買えるということ

企業の成長には不可欠なものが幾つかあります。
大きなものとしては人材、ブランド力、販売拠点、ノウハウなどが挙げられますが、これらは自社で育てたり、獲得、拡大、取得することができるものです。
しかしながら、これらが業績に貢献できるようになるためには、膨大な時間がかかってしまいます。

また、企業が成長のために今までの領域とは違う新規分野に参入しようとする場合は、自社内に経験は全く蓄積されていないため、その事業領域での人材や顧客、ノウハウなどが必要になります。
これもやはり自社で一から育てていくことは可能ですが、社内に経験や知識が無いため、実際に業績として貢献できるまでには、何度も失敗を繰り返すことが予想されます。
M&Aならこれらを短期間で取得でき、しかも失敗のリスクを回避することができます。

時間を買うことができる幾つかの例を挙げて説明します。

人材

企業に新たな人材が入ってきたとしても、会社に貢献できるようになるまでには時間がかかります。
また、会社が新規事業に取り組む場合にはその領域でのノウハウが不可欠ですが、今まで全く経験のない領域のノウハウを社員が得るまでには膨大な時間や経験が必要になります。
しかしM&Aで新規事業領域の既存企業を買収した場合は、その分野のノウハウや技術などを持っている従業員を、即戦力として入手することができます。
すなわち、ノウハウや技術を習得するまでの時間を買うことができるということです。

ブランド力

企業が新規事業に取り組む際、その事業で生み出す商品群にブランド力はありません。
もちろんその企業が有名企業であれば、新規事業商品であってもある程度の訴求力はありますが、商品単体でのブランド力は低いと言わざるを得ません。
ブランド力を高めるためには、どうしても長い期間が必要なだけでなく、戦略を間違えると高めることできません。
ですが、M&Aでブランド力のある企業、商品などを保有している企業を買収すると、時間を掛けることなく、確実に手に入れることができます。

販売拠点

今ある販売拠点だけでは不十分な場合や、今までにない新たな販売拠点を作っていかなくてはならない場合、一から作っていくこと時間が掛かりすぎます。
適切な場所を探し、店舗を作り、内装を考え、そこに店舗があることを知らしめなくてはなりません。また販売拠点までの流通ルートも確保する必要があります。
もちろん、販売拠点で働く人材も必要になります。
膨大な時間を掛けなくては実現できません。
M&Aで販売拠点を保有している企業を買収することで、その販売拠点はすぐに自社のものとして活用することができます。

許認可

新規事業に進出する際、その事業には許認可や特許が必要な場合があります。
許認可の場合なら、申請してから認可を得るまでに時間がかかるものが多くあります。
しかしながら、それを得なければ事業に取り掛かることができないため、事業を始動させるまでに相当な時間が掛かることになります。
M&Aで許認可を保有している企業を買収することで、短時間で、全てを自社のものとして活用することができるようになります。

シナジー効果が期待できる

M&Aで買収した企業や事業と、自社で既に展開している事業とを連動させることにより、多くのシナジー効果が生まれてきます。
シェアの拡大や、事業展開エリアの拡大、事業領域の拡大、新たな得意先の獲得、会社規模の増大など、買収した企業によってシナジー効果は多岐にわたります。
これにより収益機会が増えるだけでなく、利益率の改善にもつながり、企業の成長を加速度的に促していくことができます。

企業買収の目的

企業は存続しなければ意味がありませんが、存続するには成長していく必要があります。
そのため現在では成長戦略を達成するために、多くの企業がM&Aによる買収を取り入れています。
このM&Aによる買収には、どんな目的があり、どのような手法で実現させているのでしょうか。

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M&Aによる買収の目的

M&Aによる買収には、大きく以下の目的に区分されます。

①事業領域の拡大

既存事業をベースにしながら、その領域を拡大していくためにM&Aを活用し、更なる成長につないでいく。

②新規事業分野への効率的な進出

新たな分野に進出する際、効率的な方法を取ることでリスクや時間を避け、確実に進出していくためにM&Aを活用し、ことで更なる成長につないでいく。

③成長スピードの加速

自社独力で成長する以上のスピードを得るためにM&Aを活用し、更なる成長につないでいく。

買収の方法と目的

買収には色々な方法があり、それぞれに目的があります。
また一つの方法で、展開によっては幾つかの目的を同時に達成可能にできるものもあります。
代表的な方法と、その目的などを紹介します。

業界再編を成長機会にする

業界再編が行われているタイミングなら買収も行ないやすく、買収を積極化することで、業界の中での地位確立と、成長スピードを加速させることができます。

規模の経済につなぐ

企業買収を実施して企業規模が大きくなると、必然的に購買力が高まり、全ての原価を抑えられるようになります。そのため、利益率の改善が見込めるようになり、成長スピードを加速させることにつながっていきます。

シェアの拡大

自社と同業種企業を買収することで、業界内でのシェアを拡大することができ、それが価格のコントロールだけでなく競争力をも備えることになり、成長スピードの加速につながっていきます。

川上産業や川下産業への展開

事業領域を拡大する場合、同じ分野の川上産業や川下産業に拡大すれば、効果的なシナジー効果が期待できます。
例えば、小売業を展開するグループ企業が製造会社を買収すれば、川上産業の買収となります。
その場合、消費者のニーズを正確に把握しているのは小売業企業であり、その企業がニーズに合致した商品を製造することできるようになるため、ヒット商品を生みだせる可能性が高まります。
これは成長スピードの加速にもつながっていきます。

人材の取得

拡大したい領域で、既に事業を展開している会社に優秀な人材がいることが見込めるのであれば、その企業を買収することで、ノウハウや技術などを持っている人材も含めて取得することが可能になります。
これにより買収した事業をスムーズに運営できます。
また、人材の中に優秀な人物がいれば、M&Aによって更なる成長機会も与えることができるため、今後の成長と会社への貢献などが期待されます。
これによって、会社そのものの成長スピードを速めることも可能になります。

許認可、特許の取得

拡大しようとしている事業領域で、取得までに時間のかかる許認可や、新たに手に入れられない特許などは、保有している企業を買収することで取得することが可能になります。
これにより、事業領域の拡大につながっていきます。

海外への進出

拡大しようとする事業領域が海外事業の場合、既にその国での法律やルール、人材などの課題を解決して事業運営している企業を買収すれば、事業領域の拡大と、新規事業分野への効率的な進出が可能になります。

事業の取得

今まで経験が無い分野の事業を既に運営している企業を買収することで、ノウハウを持った人材も含めて取得できます。
これにより、自社独力で新規事業を立ち上げた場合のミスによる、時間や費用のロスがなくなるため、新規事業分野への効率的な進出と成長スピードの加速につながっていきます。

隣接業種の買収

自社の業種と同じではないものの、似た業種の企業を買収することで、シナジー効果が見込めるようになります。
これにより、新規事業分野への効率的な進出が可能となります。

他エリアへの進出

今までに経験のないエリアに進出しようとした場合に、そのエリアの企業を買収することで、新規事業分野への効率的な進出が可能となります。

再生事業の活用

自社にとってシナジー効果が期待でき、なおかつ業績が悪化している企業を買収できれば、経営資源を投入して高収益に転換すれば、生産性の高い投資であるだけでなく、成長スピードを加速させることが可能となります。

買収までの一般的な流れ

M&Aを活用して会社や事業を買収する場合には幾つかのプロセスを経なければなりません。
どのプロセスも欠かすことのできない重要なものですが、その中で最も留意しなくてはいけない点は秘密保持です。
入手した売り手企業の情報などが第三者に漏れてしまうと、売り手企業に大きなダメージを与えてしまうだけでなく、自社の信用にも関わってきます。
またM&Aそのものが流れてしまう可能性もありますので、最大限に配慮しながら進める必要があります。

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STEP1 M&Aアドバイザーとの検討段階

①ノンネーム資料による検討

売り手企業と提携仲介契約を結んだM&A仲介会社から、具体的な企業名までは特定できないものの、業種や規模、エリア、収益、譲渡理由などを記載したノンネーム資料での提案を受付け、自社にとってメリットがあるかどうかを検討します。

②M&A仲介会社との秘密保持契約

ノンネーム資料での検討の結果、このM&A案件に興味を持ち、より詳しい情報をもとに検討したいと考えた場合は、秘密保持契約を結ぶことになります。
この契約締結無しには、より詳細な資料を受け取ることはできません。

STEP2 M&A交渉段階

③企業概要書による検討

譲渡企業の沿革、詳しい事業内容、組織、財務状況、得意先、強みと弱みなどとともに、シナジー効果やメリットが記載された企業概要書をもとに詳細の検討をしていただきます。

④M&A仲介会社との提携仲介契約

詳細を検討した後、M&Aのための交渉を進める意思がある場合には、M&A仲介会社と提携仲介契約を結びます。
契約書にはM&A仲介会社が受け持つ業務内容や仲介する企業名、手数料などが記載されています。

⑤詳細資料による検討

企業概要書だけでは分からなかった部分に関して、より詳細な資料を提出してもらい、精査していきます。

⑥TOP面談

売り手企業の経営者と経営者同士で面談していただきます。
ここで大切なことは、経営者としてお互いの経営理念や経営方針、企業風土などを確かめながら、人間としての信頼感を得るということです。
M&Aはビジネスではありますが、金銭だけの要素で決まるものではありません。
売り手企業は、今まで必死に育ててきた会社や事業を委ねられる企業かどうかを知ろうとしていますので、信頼できる経営者であり、企業であると思えない場合には成立しにくくなります。
また、一度の面談だけで信頼関係の構築は難しく、双方が納得いくまで何度でも面談すべきです。

⑦条件交渉

買収にあたっての具体的な条件交渉をする段階です。
この中では、買収価格や従業員の処遇、譲渡企業経営者の処遇、最終契約の時期などが交渉されます。
この段階ではお互い、言いにくいことなども出てくることがあり、その場合はM&A仲介会社を通じて交渉することもあります。

STEP3 契約段階

⑧基本合意契約

売り手・買い手の双方の希望条件がおおよそ合致した時点で、基本合意契約を結びます。
基本合意契約書には双方で合意したおおまかな条件、M&A締結予定、買収監査について、独占交渉に関する事項などが記載されています。
この契約は双方のM&A案件に関する意思表明を形にしたものであり、今後は成約のためにより細かな内容を精査していくことになります。

⑨デューデリジェンス

譲渡企業の財務・法務などに関して監査を行います。
提出されていた資料などの正確性を確認するとともに、漏れなども確認します。
なお譲渡企業の業種などによっては、人事、システム、環境影響なども調査しなければならないケースもあります。
これらの調査は公認会計士や弁護士などの専門家を派遣し、実施する場合が増えています。

⑩最終条件交渉

種々の監査結果をもとにして、最終的な条件や細かな取り決め交渉を行ないます。
基本合意契約の段階で漏れていた内容も全て含んだ交渉となりますが、この過程でしっかりと決めておかないと、後々のトラブルになりかねません。
また、この段階からM&A後の経営統合を視野に入れて検討しておく必要があります。
これは譲渡企業経営者が顧問や相談役などとして一定期間会社に残れば、M&A後のスムーズな引継ぎだけでなく、経営者個人が持っているノウハウや技術などを伝えてもらうことも可能になるためです。

⑪最終契約および契約内容の履行

最終条件交渉で決定した事項を全て反映させた形で最終契約となります。
最終契約は法的にM&Aを成立させるための手続きであり、その後、契約内容に沿って譲渡代金の授受、株券の授受、代表者の交代、連帯保証や担保を解除などが行われます。
これによって、正式にM&Aが成立したことになります。

⑫M&Aの公表

譲渡企業と買収企業のそれぞれが、関係者やマスコミなどにM&Aの事実を公表します。
公表対象としては、従業員、取引先、メインバンク、新聞社などのマスコミなどと、上場企業の場合は証券取引所も含まれてきます。
なおこの中で最も重要な対象は譲渡企業の従業員です。
従業員は得意先や技術、スキル、ノウハウなどを持っている場合が多く、買収企業がこれらを円滑に引き継ぎ、シナジー効果を高めていくためにも、彼らのやる気を削がないよう、細心の注意を払う必要があります。