安定株主 (あんていかぶぬし)
業績や株価の変動に左右されず、企業の株式を長期保有する株主のこと。
一般的に、経営者・役員、従業員持株会、メインバンクなどの金融機関、主要取引先などを指します。
安定株主比率が高いと経営の継続性が高まり、株式持ち合い等を通じて敵対的買収への耐性が増す一面があります。
役割・実務での使われ方
M&Aや経営戦略において、安定株主は「経営陣の防波堤」として機能します。
敵対的買収への最大の防衛策
どのような買収提案があっても、経営陣の方針を支持し、株式を売却しない「安定株主」が過半数(または3分の1超)を占めていれば、敵対的買収を成立させることは極めて困難になります。
長期的経営の実現
短期的な株価上昇や配当増額を求める「一般投資家(浮動株主)」とは異なり、事業の持続的な成長を応援してくれるため、目先の利益にとらわれない先行投資や研究開発が可能になります。
M&A(友好的)の事前根回し先
逆に、経営陣が友好的なM&A(会社売却など)を決断した際には、最初に同意を取り付けるべき最重要ステークホルダーとなります。
彼らの賛同が得られれば、他の株主への説得もスムーズに進みます。
注意点
「政策保有株(持ち合い)」の解消圧力
かつては取引先や銀行がお互いに株を持ち合うことが一般的でしたが、現在はコーポレートガバナンス・コードにより「政策保有株式の縮減(持ち合い解消)」が強く求められています。 これまで安定株主だと思っていた銀行や取引先が、ある日突然「株を売りたい」と言ってくるリスクが高まっており、新たな安定株主(従業員持株会や資産管理会社など)の再構築が急務となっています。
経営の規律(ガバナンス)の低下
安定株主が多すぎると、経営陣に対するチェック機能が働かず、「なあなあの関係」になりがちです。
これが不祥事の温床となったり、一般株主軽視とみなされて株価が低迷(PBR1倍割れ)する要因にもなります。