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株式の持ち合い(政策保有株式) (かぶしきのもちあい / せいさくほゆうかぶしき)

企業同士が互いの株式を保有して安定株主を確保し関係を強化する慣行です。
敵対的買収の抑止や取引継続に寄与する一方、資本効率の低下やガバナンスの形骸化・少数株主の不利益が懸念されます。
近年はコーポレートガバナンス重視の潮流から解消の動きが進み、保有の目的合理性が厳しく問われています。

役割・実務での使われ方

「安定株主」としての防波堤機能(従来の役割)

互いに「もの言わぬ株主」となることで、経営陣は短期的な市場の圧力に晒されず、長期的な視点での経営が可能になるという側面がありました。
また、株式を買い占められた際の敵対的買収に対する防波堤としての役割も果たしてきました。

資本効率(ROE)を押し下げる重り

本業の利益を生み出さない株式資産を多く保有することは、総資産や自己資本を膨らませ、結果としてROE(自己資本利益率)などの資本効率指標を低下させる要因となります。M&Aの企業価値評価(バリュエーション)においても、持ち合い株式は非事業用資産として、事業価値とは分けて評価されることが一般的です。

M&Aや自社株買いの契機

持ち合い解消の流れの中で、大量の株式が市場に放出されると株価が下落するリスクがあります。
そのため、解消された株式の受け皿として、M&Aによる第三者への譲渡や、発行体企業による自社株買い(ToSTNeT取引など)が検討されるケースが増えており、企業の資本政策や再編の重要な契機となっています。

注意点

ガバナンス上のリスク

持ち合い株主は、取引関係への配慮から経営陣の提案に無条件で賛成しやすく、経営の監視機能が働かなくなる(ガバナンスの形骸化)リスクがあります。
これが企業の不正や不祥事の温床になる可能性も指摘されています。

市場リスクへの露出

保有している相手先企業の株価が下落すると、自社の財務諸表(貸借対照表の純資産や、場合によっては損益計算書)に悪影響が及びます。
本業とは関係のない市場リスクに晒されることになります。

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