DIPファイナンス (でぃっぷふぁいなんす)
民事再生や会社更生などの倒産手続き中に事業継続と再建を進めるための資金を調達する手法です。仕入・給与などの資金や再生費用を賄い、再生計画の実行を後押しします。政府系金融機関や支援スポンサーが資金提供者となる例が多く、債務は共益債権等として既存債務より優先して返済されるのが特徴です。
厳密なデューデリジェンスと実現可能な計画が前提で、再建M&Aのブリッジ資金として使われることもあります。
英語表記
DIP Financing
役割・実務での使われ方
DIPファイナンスは、法的整理(民事再生や会社更生)の申し立て直後から、再生計画が認可されるまでの「つなぎ資金」として機能します。
事業継続のための運転資金
倒産に驚いた仕入先からの現金取引要求や、従業員への給与支払いに対応し、工場や店舗を止めないために使われます。
M&Aまでの価値維持
事業が停止すると「企業価値」はゼロになります。
DIPファイナンスで事業を回し続けることで、スポンサー候補に対して「生きている事業」としてM&Aを打診することが可能になります。
信用補完
DIPローンがついたという事実は、「金融機関がこの会社の再建可能性を認めた」というシグナルになり、取引先の不安を和らげる効果があります。
注意点
高めの金利・手数料
リスクが高い局面での融資であるため、通常の銀行融資より金利は高く設定され、さらにアップフロントフィーやアレンジメントフィーが発生するのが一般的です。
厳格な審査
「本当に再建できるのか」「数ヶ月で資金ショートしないか」について、厳しいデューデリジェンス(資産査定)が行われます。
計画の実現性が低いと判断されれば融資は受けられません。
プレDIPとDIP
法的整理の申立て「前」に行う融資を「プレDIP」、申立て「後」に行うものを狭義の「DIP」と呼び分けます。
最近では、申立て前の混乱期を乗り切るプレDIPの重要性が増しています。