流動性リスク (りゅうどうせいりすく)
保有している資産を売りたい時に売れなかったり、通常よりも大幅に不利な価格でしか売却できなくなったりするリスクのことです。
例えば、取引が極めて少ない株式や不動産などは、すぐに現金化したくても買い手が見つからない場合があります。無理に売ろうとすれば、本来の価値よりも安値で手放すことになり、損失を被る可能性があります。特にM&Aにおいては、非上場企業の株式は証券市場で自由に売買できないため、極めて流動性が低い資産と言えます。売却(エグジット)には数ヶ月から一年以上の期間を要することが一般的であり、現金化に時間がかかることは経営者にとって最大の流動性リスクとなります。
資産運用や会社経営においては、常に一定の現金を確保し、資産の一部を換金しやすい状態にしておくことが、このリスクへの重要な対策となります。
英語表記
Liquidity Risk
役割・実務での使われ方
M&Aにおける役割
非上場企業のオーナーにとって、資産の大部分が「自社株」である場合、資産構成の流動性は極めて低い状態です。
急な資金ニーズや健康状態の変化が生じても、M&Aによる売却は即座には完了しません。
そのため、仲介実務では「いつまでに現金化したいか」という時間軸を重視し、流動性リスクを考慮した早めの売却準備を提案します。
一般的な使われ方
金融機関がパニック(取り付け騒ぎ)などで預金払い戻しに応じられなくなる「資金繰りリスク」も流動性リスクの一種です。
個人投資家においては、不測の事態に備えて、全資産を不動産や定期預金にせず、一部を即座に引き出せる普通預金等で持っておく対策として意識されます。
注意点
「価値」と「換金性」は別物
どんなに純資産が多く、利益が出ている優良企業の株式であっても、買い手がいなければ「現金」としての価値はゼロに等しくなります。
非常時に増大する
平時は取引されている資産でも、不祥事や経済危機などのパニック時には一気に買い手が消え、流動性リスクが急拡大することがあります。
コストと時間のトレードオフ
急いで現金化しようとすればするほど、売却価格を下げざるを得なくなり、実質的な損失が大きくなります。