議決権行使助言会社 (ぎけつけんこうしじょげんがいしゃ)
株主総会の議案を分析し、機関投資家に対して「賛成」すべきか「反対」すべきかの投票行動を助言する専門会社です。
多数の企業に投資する機関投資家にとって、全議案を自力で精査するのは困難なため、助言会社のレポートが実際の投票に決定的な影響を与えます。特に米国のISSとグラスルイスの2社が世界的なシェアを持っており、M&Aの承認や取締役選任などの重要局面で、その推奨内容が可決・否決を左右するケースが増えています。
英語表記
Proxy Advisory Firm
役割・実務での使われ方
M&A取引の成否を分ける賛否推奨
合併や株式交換などのM&A議案について、助言会社が「反対」を推奨すると、海外投資家や国内機関投資家が一斉に反対票を投じる傾向があります。
そのため、企業側はM&Aのスキームや価格決定プロセスが、助言会社のガイドラインに適合しているかを事前にシミュレーションし、説明資料を充実させる対策が必須となります。
取締役選任における「数値基準」の適用
「ROE(自己資本利益率)が5%未満の企業のトップ再任には反対する」といった明確な数値基準を持っています。
業績が悪化している企業の経営者は、助言会社の基準によって再任を否決されるリスクがあるため、常にこれらの基準を意識した経営が求められます。
注意点
「形式的」な判断基準への懸念
助言会社は画一的なガイドラインに基づいて判断するため、個々の企業の特殊事情(先行投資による一時的な赤字など)が十分に考慮されず、形式的に「反対」推奨が出されることがあります。企業側は、こうした背景を投資家に直接説明する努力が必要です。
2社による寡占状態
世界的にISS社とグラスルイス社の2社が圧倒的なシェアを持っており、この2社の考え方がグローバルスタンダードとして事実上の規制力を持ってしまっている現状があります。