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特定目的会社(TMK) (とくていもくてきがいしゃ)

「資産の流動化に関する法律」という特別な法律に基づいて設立される、特定の資産(不動産や事業など)を保有・運用するためだけの法人です。
SPC(特別目的会社)の一種ですが、より法的・税務的な特徴が強いのが特徴です。日本では不動産証券化や資産流動化スキームでよく使われますが、M&Aや資産の切り出し、再編でも活用されます。
M&Aの現場では、特定の事業・不動産・債権を切り出してTMKで管理・運営することで、買収対象の資産構成を整理したり、買収後の統合計画を明確化したりすることができます。

役割・実務での使われ方

「リスクの切り分け(倒産隔離)」機能

SPCと同様、親会社から特定の事業や資産をTMKに切り出すことで、親会社が倒産してもTMKの資産は守られ、逆にTMKのプロジェクトが失敗しても親会社に影響が及ばないようにします。

資金調達の円滑化(証券化)

TMKが保有する資産から生まれる収益(キャッシュフロー)を担保に、社債を発行したり出資を募ったりして資金調達を行います。
投資家は、親会社全体の経営リスクではなく、TMKが持つ特定資産のリスクだけを評価すればよいため、資金が集まりやすくなります。

M&Aでの活用(カーブアウト)

M&Aにおいて、売り手企業の「一部の事業だけ」を切り出して買収する(カーブアウト)際、その受け皿としてTMKが設立されることがあります。
対象事業の資産・負債を明確に分離できるため、デューデリジェンスや統合プロセスの透明性が高まります。

注意点

SPC(一般的な合同会社など)との違い

最大の違いは「根拠となる法律」と「税制メリット」です。

根拠法: SPCは通常の会社法(株式会社や合同会社)で作られますが、TMKは「資産流動化法」という特別法に基づきます。そのため、設立には監督官庁への届出が必要で、目的外の業務は厳しく制限されます。

税制メリット(導管性): 一定の要件(利益の90%以上を配当するなど)を満たすと、TMKの利益にかかる法人税が実質的に非課税になる(配当を損金算入できる)という強力なメリットがあります。

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