役員退職慰労金 (やくいんたいしょくいろうきん)
役員が退任・定年・契約満了などのタイミングで、長年の貢献や功績に対する感謝として支払われる金銭です。
一般的な従業員の退職金と似ていますが、対象が取締役・監査役・執行役員などの役員である点が異なります。
役員退職慰労金は、就任期間中の経営責任や意思決定への貢献、企業価値向上への寄与を評価するために設計されます。
支給額は、勤続期間・役職・会社業績・退任時の状況などを基に会社の退職金規程や役員報酬規程に従って算定されるのが一般的です。
役割・実務での使われ方
代表的な計算式
功績倍率法多くの日本企業(特に中小企業)では、以下の慣行的な計算式が使われます。
最終報酬月額×在任年数×功績倍率(社長なら3.0など)
M&Aにおける「オーナーの出口戦略」
中小企業のM&A(株式譲渡)では、譲渡代金(株式の対価)ですべて受け取るよりも、一部を「役員退職慰労金」として受け取るスキームがよく使われます。
売り手(個人)のメリット: 退職所得扱いとなるため、株式譲渡益(20.315%)よりも税負担が軽くなるケースがあります(退職所得控除や1/2課税の適用)。
買い手(法人)のメリット: 退職金を支払うことで対象会社の純資産が減り、買収価格(株式価値)を下げられる場合があります。
また、適正額であれば会社の経費(損金)にできるため、節税効果があります。
注意点
株主総会の決議が必須
自分たちで勝手に決めることを防ぐため、定款の定めまたは株主総会の決議が必要です。これがないと法的に無効となる恐れがあります。
「不当に高額」な場合のリスク
同業種・同規模の他社と比較してあまりに高額な場合、税務署から「過大部分は損金(経費)として認めない」と否認されるリスクがあります。