用語集

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定款 (ていかん)

会社の組織や運営ルールを定めた“会社の憲法”です。
商号・目的・本店所在地・公告方法・発行可能株式総数・機関設計(取締役会など)といった基本事項を記載し、設立時に作成して公証人の認証を受けます。
定款の変更は原則として株主総会特別決議が必要です。
M&Aでは、株式譲渡制限や取締役の権限、買収防衛に関わる条項の有無が条件交渉に直結するため、デューデリジェンス(DD)での確認が欠かせません。

役割・実務での使われ方

M&Aスキームの判定と手続きの明確化(例:株式譲渡制限の有無)

M&A実務において、対象企業がどのような組織・ルールで運営されているかを確認するための最重要書類です。
特に、中小企業の多くでは定款で「株式の譲渡制限」を設けており、株式譲渡によるM&Aを実行するには、会社(取締役会や株主総会等)の承認が必要になります。
定款を確認することで、M&Aの手続きや必要な時間・コストを正確に判定する役割を果たします。

買収防衛策や不利な条項の有無の確認(デューデリジェンス)

買い手企業が行う法務デューデリジェンス(DD)において、定款がチェックされます。敵対的買収に対抗するための防衛策(ポイズンピルなど)や、特定の株主に有利な拒否権(黄金株)といった、M&Aを進める上で障害となる条項がないかを確認します。これらの有無は、買収価格の交渉や最終契約書の条件に直結します。

役員の構成と権限の確認(統合後の運営計画)

定款には、取締役の定員や任期、取締役会の設置有無、各機関の権限範囲などが記載されています。買い手はこれらを確認し、買収後に自社からどのような役員を派遣するか、どのような意思決定プロセスに統合していくか(PMI)という計画を立てるための基礎資料として活用します。

注意点

設立時の「原始定款」と、最新の「現行定款」の違いに注意

設立時に作成したものから、その後の事業目的の追加や役員数の変更などで何度も定款が変更されている場合があります。
M&A実務では、必ず「最新の変更内容が反映された“現行定款”」を確認しなければなりません。

過去の変更手続きの適法性と、議事録の整備状況

定款を変更するには、原則として株主総会の「特別決議」が必要です。過去の定款変更が、適切な手続き(招集、決議、登記など)を経て行われたか、それを証明する「株主総会議事録」が整備されているかを確認する必要があります。手続きに不備があると、後のトラブル要因となります。

登記内容との一致

定款に記載された事項のうち、商号、目的、本店所在地、発行可能株式総数などは登記する必要があります。
定款の記載と実際の登記内容が一致しているかを確認し、不一致がある場合は、M&A前に訂正登記を求めるなどの対応が必要です。

属人的な定め(会社法109条2項)の確認

中小企業では、特定の株主に対して異なる取り扱い(配当や議決権など)を認める「属人的な定め」を定款に置いている場合があります。
これが存在すると、M&A後に特定の株主に不当な権利が残ったり、統合が困難になったりするリスクがあるため、慎重な確認が求められます。

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