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事業承継税制 (じぎょうしょうけいぜいせい)

中小企業の後継者が自社株を相続・贈与で取得する際、相続税・贈与税の納税を猶予し、一定要件で将来免除も可能にする制度です。
資金負担を抑え承継を進めやすい点がメリットです。一方で、手続きや期日が定められているため、制度の概要や流れを知り、利用することが肝要です。

英語表記

Taxation for business succession

役割・実務での使われ方

親族内・社内承継における「資金流出の防止」と経営の安定化

後継者が個人で多額の納税資金を準備する場合、会社から配当金を引き出したり役員報酬を高く設定したりする必要があり、結果として会社のキャッシュフローが悪化します。事業承継税制を適用することで、この「承継に伴う資金流出」をゼロに抑えることができ、承継直後の不安定な時期でも経営の安定性を保つことができます。

M&A(第三者承継)か親族内承継かの「判断基準」としての活用

経営者が「親族に継がせたいが税金が払えない」と悩んでいる際、この制度の適用可否が重要な分岐点となります。制度を活用してもなお要件維持が困難である、あるいは制度の縛り(株式の継続保有義務など)を嫌う場合に、初めて第三者への売却(M&A)が現実的な選択肢として浮上します。

注意点

「猶予」であり「免除」ではない

あくまで税金の支払いを先送りにしている状態であり、後継者が途中で株式を売却したり事業を廃止したりした場合には、猶予されていた税金を利子税とともに一括納付する必要があります。

厳格な継続要件と報告義務

適用後も5年間の雇用維持要件(全従業員数の平均8割以上)や、都道府県・税務署への定期的な報告義務があります。
万が一要件を外れると猶予が取り消されるリスクがあるため、長期的な視点での管理が必要です。

手続きの期限

特例措置を受けるためには、2026年3月末までに特例承継計画を提出しなければならないなど、厳格なタイムリミットが定められています。

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