プットオプション (ぷっとおぷしょん)
ある資産(株式など)をあらかじめ定めた価格で売る権利のことです。
オプションの一種で、「売る側(権利行使者)」に有利な条件で売却できる選択肢を与える仕組みです。
M&Aでは、将来売却したい側が一定条件で株式を買い手に売却できるように、契約でプットオプションを設定することがあります。
売る権利を保有する側にとって安心材料になりますが、買い手側は権利行使の条件や価格設定を慎重に設計しないと大きな負担を負うリスクもあるため、契約条項の明確化が重要です。
英語表記
Put Option
役割・実務での使われ方
金融商品取引においては「特定の資産をあらかじめ決めた価格で売る権利」を指しますが、非上場企業のM&Aでは、主に「売り手(創業者や少数株主)のExit(株式の現金化)を保証する手段」として利用されます。
「売りたいときに、確実に買い取ってもらう」約束
M&Aで株式の一部だけを譲渡する場合や、マイノリティ出資を受ける場合、手元に残った株式は「売りたくても買い手がいない(流動性がない)」状態になりがちです。 そこで、契約書にあらかじめプットオプション条項を盛り込んでおくことで、将来特定のタイミング(例:3年後、創業者引退時など)が来た際に、「私の持っている残りの株を、〇〇円で買い取ってください」と買い手企業に請求できるようになります。相手(買い手)はこの請求を拒否できません。
「下値不安」の解消
特に将来の業績悪化などで株価が下がるリスクがある場合でも、あらかじめ固定価格や計算式で最低価格を決めておけば売り手はその価格での売却が保証されます。
これにより安心して資本提携に進むことができます。
注意点
コールオプションとのセット運用
実務上は、買い手側が「この時期が来たら残りの株を強制的に買い上げたい」と考えるケースも多いため、売り手の権利(プット)と買い手の権利(コール)をセットで契約に盛り込むことが一般的です。
買い手側の財務リスク
買い手企業から見ると、プットオプションは「将来、突然巨額の買取資金が必要になるかもしれない義務(潜在的な債務)」です。
会計上の処理や、行使された際の資金繰りについて十分なシミュレーションが必要です。