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非流動性ディスカウント(DLOM) (ひりゅうどうせいでぃすかうんと / でぃーえるおーえむ)

市場で自由に売買できない資産の価値を評価する際に、流動性の低さ(=すぐに現金化できないこと)を反映して割り引く調整です。
たとえば上場株式は取引所でいつでも売却でき流動性が高いのに対し、未上場企業の株式や制約のある株式は売却機会が限られ、現金化に時間・コストがかかります。このような売りにくさをリスクとして買い手が評価価格を低く見積もるため、同じ企業価値でも評価額にマイナス調整が入るのが非流動性ディスカウントです。
M&Aの価格交渉や企業価値評価では、この割引を適用するかどうか、またその率をどう設定するかが重要になります。なお、割引率に明確な基準はなく、案件ごとに交渉や評価手法で決めていくのが一般的です。

英語表記

Discount for Lack of Marketability

役割・実務での使われ方

非流動性ディスカウントは、理論的な企業価値評価(バリュエーション)と、実際の取引価格のギャップを埋める調整弁として使われます。

未上場株式の評価(バリュエーション)

DCF法や類似会社比較法(マルチプル法)で算出された価値が、「上場している(=自由に売れる)」ことを前提とした数値であった場合、対象会社が未上場であれば、「売りたくてもすぐには売れない不便さ」を考慮して、算定結果から一定割合(20%〜30%程度が一般的)を減額する場合もあります。
インカムアプローチでの非流動性ディスカウントの適用に対しては、サイズプレミアムが考慮されているか等の前提等を考慮して、適切に判断していく必要があります。

注意点

「マイノリティ・ディスカウント(DLOC)」との違い

非流動性ディスカウント(DLOM): 「売りにくい」ことへの割引
マイノリティ・ディスカウント(DLOC): 「経営権がない(支配できない)」ことへの割引
※少数株主の持分評価では、この2つをダブルで適用(掛け合わせするため、評価額が理論値の半額以下にケースもあります)

割引率の相場

決まった定数はありませんが、実務や裁判例では20%~30%程度の範囲で採用されることが多いです。会社の規模や財務状況によって変動します。

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