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コールオプション (こーるおぷしょん)

あらかじめ決められた価格や条件で、相手の株式を「買い取る権利」のことです。
逆に「売り付ける権利」をプットオプションと呼びます。M&Aや複数社での合弁会社設立において、株主間協定などでよく定められます。

英語表記

Call Option

役割・実務での使われ方

「段階的買収」における確実な完全子会社化の布石

M&A実務において、最初から100%の株式を取得する(完全買収する)のは資金面や統合リスクが大きい場合、まずは過半数や一部の株式を取得して経営に参画します。その際、数年後に残りの株式を買い取る権利(コールオプション)を設定しておくことで、PMI(経営統合)の進捗やシナジー効果を見極めた上で、確実かつ計画的に完全子会社化へ移行するための戦略的ツールとして機能します。

合弁会社(JV)における「デッドロック解消」と関係清算

複数社で合弁会社を設立したものの、出資比率が拮抗している状態(50%:50%など)で経営方針を巡る深刻な対立(デッドロック)に陥った場合、会社の意思決定が麻痺してしまいます。このような事態を打破するため、コールオプションを行使して相手の株式を強制的に買い取り、自社の単独経営に切り替えるための解決策として用いられます。

重大な契約違反等に対する「ペナルティ・防衛策」

株主間協定において、相手方が重大な契約違反(競業避止義務違反、情報漏洩など)を犯した場合や、相手方が倒産・第三者に買収された場合などに発動できる条件付きのコールオプションを設定します。これにより、問題を起こしたパートナーを強制的に排除し、自社の事業や機密情報を守る強力な防衛手段となります。

注意点

「行使価格(買取価格)」の明確な算定ルールの設定

権利を行使する際、いくらで買い取るかという「価格設定」が最もトラブルになりやすいポイントです。固定金額にするのか、行使時の純資産や利益をベースにした計算式(マルチプル法など)を用いるのか、あるいは第三者の専門家(公認会計士など)による算定に委ねるのか、契約締結時に明確なルールを定めておくことが不可欠です。

権利を行使するための「資金確保」の必要性

コールオプションはあくまで「買い取る権利」であるため、実際に行使して株式を取得するためには、契約で定めた多額の買取資金を自社で用意しなければなりません。いざという時に資金調達ができず権利を行使できない事態を避けるため、財務的な裏付けが必要です。

行使条件と期間の厳格な定義

「どのような条件を満たしたときに(例:相手の契約違反発生時、設立から3年経過後など)」「いつからいつまでの期間」行使できるのかを、法務デューデリジェンスや弁護士のレビューを経て、解釈の余地がないよう厳格に契約書に明記する必要があります。

株式の第三者への譲渡禁止条項とのセット

せっかくコールオプションを設定していても、相手方が権利行使前に株式を第三者に売却してしまっては意味がありません。
そのため、株主間協定において、事前承認なしの「株式譲渡禁止条項」を必ずセットで規定しておく必要があります。

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