用語集

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ベンダーデューデリジェンス (べんだーでゅーでりじぇんす)

M&Aにおいて「売り手(ベンダー)」が主体となって、あらかじめ自社の財務や法務などの状態を専門家に調査(デューデリジェンス)させる手法のことです。
通常のM&Aでは買い手が調査を行いますが、入札形式(オークション)などで複数の買い手候補がいる場合、各社が個別に調査を行うと膨大な手間と時間がかかります。そこで、売り手があらかじめ客観的な調査レポートを作成し、買い手に共有することで手続きを大幅に効率化します。

英語表記

Vendor Due Diligence(VDD)

役割・実務での使われ方

オークション方式における手続きの圧倒的な効率化

複数の買い手候補が同時に買収検討を行う「オークション方式」のM&Aにおいて、必須の手法として活用されます。
各社がバラバラに専門家を送り込んで調査を行うと売り手の通常業務が麻痺してしまうため、売り手側で用意した「VDDレポート」を一斉に配布することで、各社のDD期間やQ&Aのやり取りを大幅に短縮・効率化します。

潜在リスクの早期発見と企業価値(買収価格)の防衛

買い手から指摘される前に、売り手自らが未払い残業代や契約書の不備といった「隠れたリスク」を洗い出すために使われます。
事前にリスクを把握できれば売却活動を本格化させる前に自力で改善したり、価格交渉において論理的な説明を準備したりできるため、土壇場での大幅な減額要求や破談を防ぐ強力な防具となります。

買い手の検討ハードルを下げ、競争を促進する

買い手にとって、ゼロから多額の費用をかけてDDを行うことは大きな負担です。初期段階で精緻なVDDレポートが提供されることで、買い手は「安全な案件である」と安心しやすく、初期の検討ハードルが下がります。結果として、より多くの買い手が積極的に高い買収金額を提示しやすくなるという効果を生み出します。

注意点

売り手側に多額の先行費用が発生する

本来であれば買い手が負担するはずの弁護士や公認会計士への調査費用を、売り手が先行して自腹で支払う必要があります。
M&Aが最終的に成立しなかった場合、これらのコストは丸損になってしまうリスクがあります。

買い手による「追加調査(トップアップDD)」は避けられない

VDDレポートがあるからといって、買い手が自社の調査を全く行わないわけではありません。「売り手に都合よく書かれているのではないか?」という視点から、買い手自身が気になったポイントを深掘りする追加調査(トップアップDD)は必ず行われるものと考えておく必要があります。

高い客観性と信頼性が求められる

VDDレポートは、著名な大手監査法人や法律事務所など、買い手から見ても信頼できる「独立した中立な第三者」に依頼して作成しなければ、買い手に信用されず意味を成しません。そのため、依頼先の専門家の選定が非常に重要になります。

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