ウェイバー (うぇいばー)
契約で定めた権利や条件の適用を、当事者が明示の合意で放棄・免除することです。
適用範囲・期間・前提条件を文書で特定し、恒久的放棄とならないようNo Waiver(権利不放棄)条項と併せて管理します。
英語表記
Waiver
役割・実務での使われ方
コベナンツ違反時の「債務不履行」回避
対象会社の業績が悪化し、融資契約で定められた「利益水準」や「純資産額」を下回ってしまったとします(コベナンツ違反)。
通常これは債務不履行となり、銀行から一括返済を求められます。これを避けるため対象会社は銀行に対して現状を説明し、今回に限り違反を許容してもらうよう「ウェイバー」を要請します。承認されれば、融資を引き揚げられずに事業を継続できます。
M&A実行の前提条件(COC条項のクリア)
借入契約書に「株主が変わった場合(M&Aなど)、銀行は一括返済を求めることができる」というCOC条項が入っていることがあります。
M&Aを成功させるためには、クロージング前に銀行からこのCOC条項の適用を免除する「ウェイバー」を取得しておく必要があります。
これが得られないと、M&A成立と同時に買収した会社が資金ショートに陥るリスクがあるためです。
注意点
恒久的な放棄ではない(No Waiver条項)
通常、契約書には「今回たまたま権利を行使しなかった(ウェイバーした)からといって、将来にわたって権利を放棄したわけではない」とする「No Waiver条項(権利不放棄条項)」が定められています。ウェイバーはあくまで「今回限りの特例措置」であり、根本的な問題解決を先送りしているに過ぎないという認識が重要です。
必ず書面で合意する
口約束は後々トラブルの原因となります。
適用範囲、期間、前提条件などを明確に定めた「ウェイバー・レター」などの書面で合意を取り交わすのが実務の鉄則です。