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クロージング (くろーじんぐ)

最終契約に基づき株式・事業の移転と対価の決済を行い、経営権の移転を完了させる最終手続きです。
株式譲渡では名義書換や代金支払い、役員改選などを実施します。
実行前には、規制当局の承認、重要契約の同意、表明保証の真実性など、クロージング条件(前提条件)の充足が必要です。

英語表記

Closing

役割・実務での使われ方

クロージングは単なる「最後の手続き」ではなく、企業の「支配権」が移動する瞬間であり、非常に厳格な準備と管理が求められます。

経営権移転の完全な履行

最終契約書で合意されたすべての条件が満たされたことを確認し、株式と代金の引き換え(DVP)を確実に実行します。
これにより対象会社の「株主」と「経営陣」が買い手側に変わり、法律的にも実質的にも経営権が移転します。

クロージング条件(CP)の充足確認

デューデリジェンス(DD)で見つかったリスクや、PMI(統合後の成長)のシナジー効果を高めるために、最終契約書で「クロージングまでに売り手が解決すべき事項」をクロージング条件として設定します。 実務では、弁護士などの専門家と連携し、これらの条件がすべて満たされているかを厳密に確認します。

M&A成立(成約)の対外的な発表

クロージングが完了した時点で、M&Aは正式に「成約」となります。
これによりプレスリリースなどの対外的な発表が行われ、取引先、従業員、株主などのステークホルダーへ報告されます。

注意点

前提条件(CP)が充足されない場合のリスク

規制当局の承認が下りない、重要契約の同意が得られない、重大な虚偽の表明保証が発覚する、などによりクロージング条件が充足されない場合、クロージングが延期、最悪の場合はM&A自体が失敗するリスクがあります。

名義書換や役員改選の手続き不備

株式の移動だけでは不十分です。 株主名簿の名義書換、取締役・監査役の登記変更、取引銀行への届け出など、クロージング日当日およびその直後に必要な手続きに不備やミスがないよう、綿密な連携とスケジュール遵守が不可欠です。

一過性の売上の除外や正常収益力の算出

企業の永続的な価値を測るためには、M&A後に継続しない特殊な取引や一過性の項目を除外(正常収益化の修正)してFCFを算出する必要があります。
これは、バリュエーション での「質」の評価において重要なポイントです。

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