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コベナンツ (こべなんつ)

融資契約や社債の条件に記される「守るべき約束」のことです。
例として、①財務:自己資本比率や利益を一定以上に保つ、過度な借入をしない。
②行為:大きな投資や追加M&Aは金融機関の同意を得る。
③報告:決算書などを期限内に提出する 等。
違反すると期限の利益を喪失し一括を求められたり、融資条件の変更により返済金利の上乗せ、追加担保の要求等が生じ得ます。

英語表記

Covenants

役割・実務での使われ方

M&Aでは、資金調達(ファイナンス)とデューデリジェンス(DD)の両面で極めて重要になります。

M&A資金調達時の「借入条件」として(買い手側視点)

多額の資金を調達するM&A、特に買収先の資産や将来キャッシュフローを担保にするLBOでは、通常の融資よりも厳格なコベナンツが設定されます。
「買収後も〇年間は純資産〇億円を維持すること」「新たな借入や大型投資をする際は銀行の事前承認を得ること」といった条件が課され、M&A後の経営戦略(PMI)に制約がかかる可能性があります。

法務・財務デューデリジェンスでの「リスク」として(売り手・買い手共通視点)

買収対象会社が既存の借入契約でコベナンツを結んでいる場合、M&Aによって株主が変わることでチェンジオブコントロール条項(COC) などのコベナンツに抵触し、一括返済を求められるリスクがあります。DDの段階で既存の融資契約書を精査し、M&A実行前に金融機関の承諾を得るなどの対応が不可欠です。

注意点

違反時のペナルティの重さ(期限の利益喪失)

コベナンツは単なる努力目標ではありません。違反した場合、金融機関は「期限の利益喪失」を主張できます。
これは「分割払いの約束を反故にし、残債務を一括で直ちに返済しろ」と要求できる権利です。
実際には金利引き上げや追加担保で交渉されることも多いですが、最悪の場合、企業は資金繰り破綻(倒産)に追い込まれる重大なリスクがあります。

経営の自由度への制約

「M&A、事業譲渡、組織再編の禁止・制限」「配当の制限」「設備投資の上限設定」など、事業活動そのものを制限するコベナンツが設定されることがあります。
M&A後の成長戦略を描く上で、これらの制約が足かせとならないか慎重な検討が必要です。

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