GAAP (ぎゃーぷ)
各国で「一般に公正妥当」と認められた会計基準の総称です。
日本基準(J-GAAP)や米国基準(US GAAP)などがあり、財務諸表作成の基本ルールを定めます。
IFRSと収益認識・のれん・開示の扱いが異なる場合があるため、M&Aの企業価値評価やデューデリジェンス(DD)では基準差を調整して比較することが重要です。
英語表記
Generally Accepted Accounting Principles
役割・実務での使われ方
直訳すると「一般に公正妥当と認められた会計原則」となり、各国における「決算書を作るための公式ルールブック」の総称です。
通常は「US GAAP(米国基準)」や「J-GAAP(日本基準)」のように国名を冠して区別されます。
「モノサシ」の違い
国によって法律や商習慣が異なるため、売上の計上タイミングや費用の扱いなどのルール(GAAP)も異なります。
M&Aで国境を越える取引を行う際や、基準の違う企業同士を比較する際は、この「モノサシ」を揃える調整作業が必要になります。
M&Aにおける最大の影響(のれん)
日本のルール(J-GAAP)と、世界の主流(IFRS・US GAAP)で最も大きく異なるのが「のれんの扱い」です。
日本(J-GAAP): のれんは費用として毎年少しずつ償却する(利益が減る)
世界(IFRS/US GAAP): のれんは償却しない(価値が下がった時だけ減損処理する=普段は利益が減らない)
実務での調整
上記の違いにより、同じ業績でも日本基準の会社のほうが利益が少なく見えてしまいます。
そのため、M&Aの企業価値評価(バリュエーション)では、異なる基準の会社を公平に比較するために、償却費を足し戻した「修正EBITDA」などを用いて実力値を揃えます。
注意点
単純比較の危険性
「A社(IFRS採用)は利益10億、B社(日本基準)は利益8億だから、A社の方が優秀だ」と判断するのは危険です。
B社がのれん償却費として2億計上している場合、実質的な稼ぐ力は同じかもしれないからです。
上場企業の基準変更
近年、日本の大企業でも海外投資家への説明のしやすさから、J-GAAPからIFRSへ移行するケースが増えています。