用語集

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現在価値(PV) (げんざいかち)

将来発生する金銭的価値を、一定の利率(割引率)を用いて現時点の価値に割り引いて換算した金額のことです。
ファイナンス理論上、金銭には時間的価値があり、「現在の資産は運用によって将来的に増加し得るため、将来得られる同額の資産よりも価値が高い」という前提に立ちます。そのため、将来の収益を評価する際には、その期間に対応する割引率を用いて、現在の価値へと修正する必要があります。
M&Aにおいては、対象企業が将来生み出すフリーキャッシュフローを基に企業価値を算定するDCF法の根幹をなす、極めて重要な概念となります。

英語表記

Present Value

役割・実務での使われ方

DCF法による「企業価値評価」の算出

M&Aで最も標準的な評価手法の一つであるDCF法では、対象企業が将来生み出すキャッシュフロー(CF)を現在価値に引き直し、その総和を企業価値とみなします。
これにより、事業の将来性を現在の価格(買収金額)として客観的に評価することが可能になります。

投資意思決定の基準(NPV法)

「買収にかかる初期投資(コスト)」と「将来得られるキャッシュフローの現在価値」を比較し、現在価値が上回る場合に「投資価値あり」と判断します。
これはM&Aだけでなく、企業の設備投資や新規事業の判断基準としても広く使われます。

事業計画の蓋然性の検証

将来の大きな収益も、現在価値に直すと驚くほど小さくなることがあります。
現在価値を用いることで、遠い未来の不確実な利益に過度な期待をせず、現実的な投資リターンを見極めるフィルターとして機能します。

注意点

「割引率」の設定による変動

割引率を高く設定すれば現在価値は小さくなり、低く設定すれば大きくなります。
この設定一つで買収評価額が数億円単位で変わることもあるため、慎重な設定が求められます。

期間が長いほど価値は減少する

同じ1億円でも、3年後にもらうのと10年後にもらうのとでは現在価値に大きな差が出ます。
未来の収益ほど、現在価値としての評価は厳しくなるという性質を理解しておく必要があります。

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