サービサー(債権回収会社) (さーびさー / さいけんかいしゅうがいしゃ)
法務大臣の許可を受けて特定金銭債権の管理・回収を行う民間の専門会社です。
取締役に弁護士が入る等の一定の条件の下で特定金融債権の管理や回収を業として行うことができる株式会社をいいます。
金融機関等から委託や債権譲渡を受け、不良債権の回収・処理を担います。
M&Aや事業再生では、債権売却や回収の外部化を通じ、資金繰り改善や再建スキーム構築に活用されます。
英語表記
Servicer
役割・実務での使われ方
M&A・事業再生実務での主な役割
M&A、特に経営不振企業の救済を目的とする事業再生M&Aにおいて、サービサーは非常に重要な役割を果たします。
「債権の集約」による権利関係の整理
再生対象企業が複数の金融機関から借り入れを行っている場合、支援の合意形成が難航することがあります。
この際、サービサーが各金融機関から債権を買い取って集約することで、意思決定を迅速化し、再生スキームを組みやすくします。
オフバランス化とBS(貸借対照表)の適正化
金融機関にとっては、サービサーに債権を売却することで、不良債権をバランスシートから切り離す(オフバランス化)ことができます。
一方、企業側にとっても債権者がサービサーに変わることで、現実的な返済計画へのリスケジュールや、場合によっては債務免除の交渉に応じてもらいやすくなるケースがあります。
具体的な判断基準・活用例
財務体質の「正常化」判断
M&Aの売り手企業が過剰債務に陥っている場合「そのままでは買い手がつかないため、まずはサービサーを活用して債務を圧縮し、実質無借金にしてから事業譲渡を行う(第二会社方式など)」といった判断を行う際のキープレイヤーとなります。
再生スポンサー選定の前提整理
買い手(スポンサー)候補は、「事業は魅力的だが、銀行借入などの負債は引き継ぎたくない」と考えます。
サービサーが間に入り、旧債務を整理・圧縮することで、スポンサーが安心して出資・買収できる環境(フィナンシャル・リセット)を整えます。
注意点
取り扱える債権の限定(特定金銭債権)
サービサーが扱えるのは金融機関の貸付債権、リース債権、クレジット債権、法的倒産手続中の者が有する金銭債権などの「特定金銭債権」に限られます。
一般的な個人の借金や一般事業会社の売掛金などは、一部の例外を除き対象外となる場合があります。
反社会的勢力の排除
サービサー法では、暴力団等反社会的勢力の参入を厳しく排除しており、役員に弁護士を含めることが義務付けられています。
「取り立て屋」という古いイメージとは異なり、コンプライアンスが厳格に求められる許可制の組織です。