BS(貸借対照表) (びーえす(たいしゃくたいしょうひょう))
ある特定の時点の財政状態(財産と負債)を一枚にまとめた書類です。左側は資産(現金・売掛金・在庫・設備など)、右側は負債(借入金・買掛金)と純資産(株主資本)で構成され、基本の式は「資産 = 負債 + 純資産」です。企業の支払能力や財務基盤の強さ、資金繰りの余力を読み取るのに役立ちます。M&Aでは、対象企業が健全な財務体質かどうかを評価する際の必須資料です。
英語表記
Balance Sheet
役割・実務での使われ方
BSは、会社が調達した資金の出どころと、その資金がどのような形で運用されているかを表す一覧表です。M&Aや経営分析においては、以下の視点で活用されます。
企業価値(株価)の算出
M&Aの価格を決める際、基本となるのは「純資産(資産-負債)」の額です。
ただし、帳簿上の数字をそのまま使うのではなく、土地や在庫を時価に直し、回収できない売掛金を引くなどの「時価修正(修正純資産法の適用)」を行うための最重要資料となります。
安全性の分析(倒産リスク)
「手元にすぐ使える現金がどれくらいあるか(流動比率)」や、「返済不要な自分のお金がどれくらいあるか(自己資本比率)」を見て、会社が潰れにくいかどうかを判断します。
資金の使い道のチェック
調達したお金が、将来の利益を生む「設備」に変わっているか、それとも売れ残った「不良在庫」として眠っているか、無駄な「貸付金」になっていないかなど、経営の質(資産の質)をチェックします。
注意点
「簿価」と「時価」のズレ
BSに載っている土地や建物は「買った時の値段(簿価)」で記載されていることが多く、現在の価値(時価)と大きく乖離していることがあります。
例えば、30年前に買った土地が値上がりしていれば「含み益」、逆にバブル期に買った土地が値下がりしていれば「含み損」となり、これらはBSを見ただけでは分かりません。
「簿外債務」の存在
BSに載っていない借金(隠れ負債)に注意が必要です。未払いの残業代、退職金の積立不足、他社の借金の連帯保証などは、BSには記載されませんが会社にとって大きなリスクとなります。M&Aのデューデリジェンス(DD)で最も警戒されるポイントです。