用語集

Glossary

ストックオプション (すとっくおぷしょん)

役員・従業員等に付与する新株予約権で、定めた価格・期間で自社株を取得できる権利です。会社法上は「新株予約権」の一種として位置づけられます。
業績が株価に反映されれば行使益が得られるため、採用・リテンションやモチベーション向上のインセンティブとして有効です。
M&Aでは対価設計や提携の段階的出資にも活用されます。

英語表記

Stock Option / Stock Acquisition Rights

役割・実務での使われ方

M&Aの現場では、「買収価格への影響」と「買収後の人材確保」の2つの側面で重要になります。

既存ストックオプションの処理(買収価格の調整)

売り手企業がすでにくストックオプションを発行している場合、M&A実行時にその取り扱いを決める必要があります。
「買い手が買い取る(金銭解決)」「権利を放棄させる」「買い手企業のSOと交換する」などの手法があり、これらはM&Aの買収総額やスキームに直接影響します。

PMIにおけるリテンション(引き留め)策

M&A成立後、対象会社のキーマン(経営幹部や優秀な技術者)が退職してしまうことを防ぐため、買い手企業のストックオプションを新たに付与することがあります。
「3年間在籍すれば行使できる」といった条件をつけることで、統合後の組織安定化と成長へのコミットメントを促します。

アーンアウト条項との組み合わせ

譲渡対価の一部として、現金だけでなくストックオプションを組み合わせることで、買収後の業績向上を条件に追加報酬を支払う設計(アーンアウトに近い効果)を行う場合もあります。

注意点

既存株主への影響(希薄化)

ストックオプションが行使されると発行済株式総数が増えるため、既存株主の持株比率が低下(希薄化)します。
発行枠が大きすぎると、既存株主や投資家から反発を招く恐れがあるため、適切な設計(一般的には10%〜15%以内など)が求められます。

税務リスク(税制適格要件)

「税制適格ストックオプション」の要件を満たせば、権利行使時の課税が繰り延べられ、株式売却時に譲渡所得(約20%)として課税される優遇措置が受けられます。
要件を満たさない(税制非適格)場合、権利行使時に給与所得として最大約55%の課税が発生するため、設計時の専門家による確認が不可欠です。

関連用語