アーンアウト (あーんあうと)
買収対価の一部を、クロージング後の目標達成(売上・利益・KPIなど)に連動して支払う仕組みです。
成長不確実な案件の価格ギャップを埋め、モチベ維持にも有効です。
一方で設計・運用が複雑なため、指標の定義・期間・上限・検証方法を契約で明確化します。
英語表記
Earn Out
役割・実務での使われ方
買収対価の全額を契約時に支払うのではなく「一部を後払い」にし、その支払額を買収後の業績(売上、EBITDA、特定KPIなど)に応じて変動させる仕組みです。
「価格の溝」を埋める架け橋
売り手: 「来期は新商品が売れるから、もっと高く売れるはずだ(楽観的)」
買い手: 「まだ実績がないから、今の数字でしか評価できない(保守的)」
このように評価額にギャップがある際、「実際に目標達成したらその分上乗せして払います」という形で合意形成を図るために使われます。
モチベーション維持(インセンティブ)
オーナー社長が売却後も経営に残る場合、「頑張って業績を上げれば、追加でお金が入る」という動機づけになり、PMI(統合)の成功率を高める効果があります。
注意点
契約内容が非常に複雑になり、後々トラブルになりやすい点に注意が必要です。
「経営の自由度」の問題
買い手が買収後にコストを使いすぎて利益が減ると、売り手はアーンアウトをもらえなくなります。
そのため、売り手は「自由な経営権」を求めますが、買い手は「ガバナンス」を効かせたいという対立が起きがちです。
指標の定義
「利益」と言っても、営業利益なのか、EBITDAなのか、本社費配賦前の利益なのかなど、定義が曖昧だと計算時に揉める原因になります。