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タックスシールド (たっくすしーるど)

減価償却費や借入金の支払利息など、会計上の「費用」を計上することで利益が圧縮され、結果として支払うべき法人税などの税金が減る効果のことです。
税金から会社の利益を守る「盾(シールド)」のような働きをすることから、このように呼ばれます。企業価値の算定や買収後の投資回収シミュレーションを行う際、このタックスシールドによる節税額を正しく見積もることが、M&Aを成功に導くための重要なポイントとなります。

英語表記

Tax Shield

役割・実務での使われ方

M&A実務における役割

買収対象企業の「本当の企業価値(将来生み出す現金)」を算定するバリュエーションにおいて、非常に重要なプラス要因として評価されます。
特に事業譲渡スキームにおける「のれん代の償却」や、借入金を活用して買収を行う「LBO」においては、巨額の支払利息がタックスシールドとして機能し、買収後の手元資金(フリーキャッシュフロー)を最大化する戦略的な役割を果たします。

その他の一般的な使われ方

通常の企業経営(コーポレートファイナンス)においても、設備投資を行った際の「減価償却費」がもたらす節税効果を計算し、投資回収プランを立てる際などに広く用いられます。

注意点

「利益が出ていること」が大前提

タックスシールドはあくまで「利益にかかる税金を減らす」効果です。
業績が悪化し、そもそも赤字(課税所得がゼロ)の企業においては、差し引くべき税金がないため、タックスシールドの恩恵を受けることはできません。

スキームによる「のれん」の扱いの違い

M&Aの手法(株式譲渡、事業譲渡、合併など)によって、税務上のれんを費用として計上(損金算入)できるかどうかが異なります。
一般的な「株式譲渡」では原則としてタックスシールドが効かないため、スキーム選定時には税理士等の専門家による確認が不可欠です。

過度な借入リスク

支払利息によるタックスシールド(節税効果)を狙って銀行借入を増やしすぎると、金利上昇時や業績悪化時に元本返済ができなくなる「倒産リスク(財務リスク)」が高まるため、バランスが重要です。

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