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ハードルレート (はーどるれーと)

企業がM&Aや新規事業などの投資を行う際、その投資を実行するかどうかを判断するための「最低限必要とされる利回り(収益率)」のことです。
陸上競技のハードルを越えるように、この基準を上回る収益が見込めなければ投資は見送られます。
設定基準は企業の資金調達コスト(WACCなど)をベースに、対象事業のリスクや目標とする利益を上乗せして決定されます。
例えば、調達コストが5%で、リスク等を考慮してハードルレートを8%に設定した場合、見込み収益率が8%未満のM&A案件は原則として却下されます。
特にPEファンド(投資ファンド)においては重要で、投資家に対して最低限保証する利回りとして設定され、これを越えた場合にのみファンド運営者に成功報酬が発生する仕組みが一般的です。買い手企業にとっては、投資の失敗を防ぎ、効率的に利益を上げるための重要な物差しとなります。

英語表記

Hurdle Rate

役割・実務での使われ方

M&A案件の「足切り」基準

内部収益率(IRR)などの予測収益率がハードルレートを下回る場合、その案件は却下されます。
これにより、企業の資金調達コストを下回る、あるいはリスクに見合わない案件への投資を防ぎます。

投資ファンドの「成功報酬」発生の基準

PEファンドでは、ハードルレートを超える利回り(プリファードリターン)を投資家に保証し、それを超えた場合にのみファンド運営者に成功報酬が発生する仕組みが多いです。ファンド運営者と投資家の利益を一致させる役割を果たします。

企業の「経営効率」を高める指標

M&Aだけでなく新規事業や設備投資の判断にも使われます。資本コストを意識した投資判断を徹底させることで、企業全体の経営効率を高めます。

注意点

リスクの適切な反映

ハードルレートは、WACCにリスクを上乗せして設定しますが、この上乗せ幅(リスクプレミアム)をどう設定するかで判断が大きく変わります。
対象事業のリスクを過小評価すると、高値掴みや失敗に繋がります。

成長性とのバランス

ハードルレートを高く設定しすぎると、成長性は高いが初期の利回りが低い優良な投資機会を逃す恐れがあります。

非財務情報との併用

ハードルレートは数値的な基準ですが、M&Aではシナジー効果や経営陣の質など、非財務的な要素も重要です。
数値だけでなく、多角的な判断が必要です。

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