リスクプレミアム (りすくぷれみあむ)
投資や企業価値評価において、安全な資産(例:国債など)に比べてリスクの高い投資から得たい追加的なリターンのことを指します。
言い換えると、「リスクを取る対価」として投資家が要求する上乗せの期待収益です。M&Aでは、リスクプレミアムはCAPM(資本資産価格モデル)やWACC(加重平均コスト)の計算で使われ、買収対象企業の株主資本コストや、全体の資本コストを評価する際の重要要素となります。
英語表記
Risk Premium
役割・実務での使われ方
「リスクを取る対価」としての意味
投資の世界では「ローリスク・ローリターン」「ハイリスク・ハイリターン」が原則です。 元本が保証されている国債の利回りが2%だと仮定します。
もし、倒産するかもしれない企業の株式投資のリターンも同じ2%だとしたら、誰もその企業には投資しません。
投資家を振り向かせるには、リスクに見合った「+α」が必要です。この「+α」の部分(例:+5%)がリスクプレミアムです。
M&A評価(バリュエーション)での重要性
M&Aで企業価値を算出する際(特にDCF法)、このリスクプレミアムは「割引率(WACC )」を決定する中心的な要素となります。
対象企業のリスクが高いと判断される場合:高いリスクプレミアムが設定され、割引率が高くなり、現在の企業価値(買収価格)は低く見積もられます。
安定していると判断される場合:プレミアムは低くなり、企業価値は高く評価されます。
注意点
マーケット全体と個別企業の違い
一般的に「マーケット・リスクプレミアム」と言うと、株式市場全体(TOPIXなど)に投資する場合の平均的な上乗せ幅を指します。
M&Aの実務では、これに個別企業の事情(サイズや財務状況)を加味して調整を行います。
主観が入りやすい
国債の金利と違い、リスクプレミアムには「正解の数値」がありません。
買い手と売り手で将来のリスクに対する見方が違うため、この数値設定が価格交渉の争点になることがよくあります。