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株主割当増資 (かぶぬしわりあてぞうし)

企業が新株を発行し既存株主に持株比率に応じて優先的に引受機会を与える資金調達です。権利を行使すれば持分を保ちやすく、行使しなければ希薄化が生じ得ます。
第三者割当と比べ、支配構造を維持しやすい点が特長です。目的は成長投資や財務健全化で、資金未達リスクや期間・公告等の実務対応に留意が必要です。

役割・実務での使われ方

M&Aでは、買収完了後のPMI(統合プロセス)や合弁会社の運営において頻繁に利用されます。

買収後の運転資金・設備投資資金の注入

M&Aによって対象会社が「100%子会社」となった後、親会社(買い手)が対象会社に対して成長資金を追加投入する際、形式として「株主割当増資(株主は親会社1社のみ)」がとられます。これにより、親会社から子会社へスムーズに資金移動(資本注入)が行われます。

合弁会社におけるパワーバランスの維持

2社以上で出資している合弁会社が資金調達を行う際、片方だけが出資すると出資比率が崩れ、経営権のバランスが変わってしまいます。
当初の力関係(例:50%対50%)を維持するために、両社が比率に応じて出資する株主割当増資が選ばれます。

注意点

「失権」と「変更登記」の手間

株主全員に権利を与えますが、全員が資金を払い込むとは限りません。払い込まなかった株主の権利は消滅(失権)します。
また、誰がいくら払い込むか確定するまで資本金額が決まらないため、第三者割当増資に比べて手続きやスケジュール管理が煩雑になる場合があります。

株主間の不公平感(希薄化)

一部の株主だけが出資し、他の株主が出資しなかった場合、出資しなかった株主の持株比率は低下(希薄化)します。
これが意図しない形での「支配権の移動」につながり、株主間トラブルの原因になることがあります。

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