用語集

Glossary

非支配株主持分(少数株主利益) (ひしはいかぶぬしもちぶん / しょうすうかぶぬしりえき)

連結財務諸表を作成する際に、親会社が100%支配していない子会社の株式のうち、親会社以外の株主が持つ持ち分を指す会計用語です。
連結財務諸表では、子会社の資産や負債、利益・損失を親会社のグループ全体の数字に含めますが、実際には一部の利益を他の株主に帰属させる必要があるため、非支配株主持分として区別して表示します。

英語表記

Non-controlling Interests (NCI)

役割・実務での使われ方

部分買収・ジョイントベンチャーのスキーム検討

買収対象会社の創業者に一定の株式を残してもらう「部分買収」や、他社と共同で出資するジョイントベンチャーを組成する場合、自社(親会社)以外の持分が「非支配株主持分」となります。この比率をどう設計するかは、買収後の経営の自由度や、将来的な利益配分のバランスを決定づける重要な交渉ポイントとなります。

企業価値評価(バリュエーション)での考慮

買収対象会社が、さらにその下に「非支配株主がいる子会社」を持っていた場合、対象会社の連結利益には他者の取り分が含まれています。
正確な買収価格を算定するためには、連結キャッシュフローから非支配株主に流出する分(配当など)を考慮に入れたり、利益指標を調整したりする必要があります。

PMI(統合後)の利益計画・配当政策

買収した子会社の業績が向上しても、その利益のすべてが親会社のキャッシュフローになるわけではありません。
非支配株主への配当支払いを考慮した資金繰り計画や、連結ベースでの最終利益目標の設定が不可欠となります。

注意点

用語の変遷

現在の正式な会計用語は「非支配株主持分(Non-controlling Interests)」ですが、実務の現場では旧来の「少数株主利益(Minority Interests)」という言葉も依然として使われています。

「誰の利益か」の混同

連結損益計算書において、単なる「当期純利益」は、まだ非支配株主の取り分を含んだ状態の数字です。
親会社の株主にとって最終的な成果となるのは、そこから非支配株主持分を控除した「親会社株主に帰属する当期純利益」である点に注意が必要です。

関連用語