オフバランス (おふばらんす)
事業に使っているのに貸借対照表(BS)に計上されない資産・負債を指します。見かけ上の財務体質やROAを良く見せられる反面、実態把握を誤るリスクがあります。
典型例にリースやSPC活用がありますが、基準厳格化でオンバランス化が進んでいます。
M&Aでは簿外債務・偶発債務の有無をデューデリジェンス(DD)で精査することが不可欠です。
英語表記
Off Balance
役割・実務での使われ方
ROA(総資産利益率)の向上
BS上の「資産(分母)」を小さくすることで、同じ利益額でも計算上の資本効率(ROA)を高く見せることができます。
資産を持たずに使う(持たざる経営)ことで、スリムな財務体質をアピールできます。
主な手法
リース活用 : 自社で購入せずリース契約にする(※会計基準の変更により、現在は多くがオンバランス処理求められますが、一定条件下ではオフバランスが可能)。
資産の流動化 : 保有する不動産や売掛金をSPC(特別目的会社)に売却し、現金化すると同時にBSから切り離す。
M&Aにおける重要性
買い手にとって、オフバランスは「見えないリスク」です。BSには載っていないが実質的な支払い義務(リース料や偶発債務など)が存在する場合、買収後の資金繰りやコスト構造に影響を与えます。そのため、デューデリジェンス(DD)で「帳簿に載っていない債務がないか」を徹底的に洗い出す必要があります。
注意点
実質的な負債の見落とし
財務数値上は借金が少ないように見えても、実態は多額のリース料支払いや、SPCを通じた実質的な借入が存在する場合があります。
会計基準の厳格化
IFRS(国際会計基準)や日本の会計基準の改正により、これまでオフバランス扱いできたリース取引なども、原則として資産計上するようルールが厳格化されています。過去のスキームが現在も通用するか確認が必要です。