タックスプランニング (たっくすぷらんにんぐ)
企業の経営目標に合わせて税負担を適正化し、手元に残る現金(キャッシュフロー)を最大化させるための事前の戦略策定です。
単なる節税だけでなく、納税時期の繰り延べや税額控除の活用、組織再編税制の利用などを包括的に検討し、企業価値を高めることを目的とします。
M&Aにおいては、株式譲渡や事業譲渡といった「スキーム選定」がその中核となります。選択する手法によって、譲渡オーナーの所得税負担や、買い手側ののれん償却による節税効果が大きく変わるため、取引の最終的な手残りを左右する極めて重要なプロセスです。
英語表記
Tax Planning
役割・実務での使われ方
法的根拠に基づき「税引き後の利益」を最大化するために活用されます。
M&Aにおけるスキームの最適化
株式譲渡、事業譲渡、会社分割など、複数の手法を比較検討します。
例えば、事業の一部を売却する場合、法人税の負担を抑えるためにどのような組織再編ステップを踏むべきかといった戦略を立てます。
繰越欠損金の活用
赤字(欠損金)を抱える企業を買収する際、その欠損金を将来の利益と相殺して税負担を軽減できるかどうかを精査し、買収価格やストラクチャーに反映させます。
グローバル展開や投資促進(一般的な使われ方)
海外拠点との取引における移転価格の調整や、国内での設備投資・賃上げに伴う税額控除の適用など、日常的な経営判断に組み込まれます。
注意点
租税回避行為(脱税)との区別
あくまでも法令の枠組みの中で行う正当な節税策であり、実態のない取引や不自然なスキームは税務当局から否認されるリスクがあります。
税制改正への適時対応
税法は頻繁に改正されるため、プランニング時点での法律が最新のものであるか、将来的に不利な改正がないかを専門家(税理士など)と確認し続ける必要があります。
ドキュメンテーション(証跡)の維持
なぜその手法を選択したのか、事業上の合理性(ビジネス目的)を明確に説明できる資料を残しておくことが、税務調査対策として重要です。