キラービー (きらーびー)
敵対的買収を仕掛けられた対象企業が、買収を防ぐために雇う防衛専門のアドバイザーのことです。
主にM&Aアドバイザー(投資銀行)や法律事務所などがこの役割を担います。具体的には、友好的な別の買い手を探してくる「ホワイトナイト(白馬の騎士)」の実行や、買収者に逆買収を仕掛ける「パックマン・ディフェンス」など、高度な専門知識を用いた防衛スキームを立案します。
英語表記
Killer Bee
役割・実務での使われ方
敵対的買収に対する「盾」
予期せぬ敵対的買収を仕掛けられた際、対象企業はパニックに陥りやすく、自社だけで適切な対応をとることは困難です。
キラービーは、高度な専門知識と過去の防衛実績を持つプロフェッショナルとして、法務・財務の両面から買収者の弱点を突き、最適な防衛戦術(ホワイトナイトの探索や訴訟の提起など)を迅速に指揮・実行する司令塔の役割を果たします。
一般的な使われ方(有事の際の緊急対応)
主にM&A用語として定着していますが、広くビジネス全般において「他社からの強引な攻撃や不当な要求に対し、専門知識を駆使して徹底的に反撃・防衛を行う外部の助っ人(専門家)」といったニュアンスで使われることもあります。
注意点
「経営陣の保身」とみなされるリスク
キラービーが立案する強力な防衛策は、買収を阻止できる反面、既存株主が株を高値で売却する機会を奪ったり、防衛策の過程で企業価値を意図的に下げる(クラウン・ジュエルなど)ケースがあります。そのため、「株主の利益よりも、いまの社長や役員が自分の地位を守るために雇ったのではないか」と批判され、かえって株主からの反発や訴訟リスクを招く恐れがあります。
莫大なアドバイザリー費用(コスト)
キラービーと呼ばれるようなトップクラスの投資銀行や法律事務所を緊急で雇い入れ、短期間で高度な防衛策を実行するには、数千万円から数億円規模の極めて高額な成功報酬やタイムチャージが発生します。防衛に成功したとしても、会社に多大な財務的負担が残る点は実務上の大きなネックとなります。
「事後的な対策」の限界
キラービーが活躍するのは、あくまで買収を仕掛けられた後(有事)です。相手がすでに周到な準備をして十分な株式を買い集めてしまっている場合、いかに有能なキラービーであっても有効な防衛策が間に合わないことがあります。平時からの買収防衛策や株主との対話が重要であることは変わりません。