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期待収益 (きたいしゅうえき)

投資家が投下資本の運用から平均的に見込む収益(または金額)のことです。
通常は「投下資本×期待収益率」で概算し、期待収益率は期待リターン/要求収益率とも呼ばれます。
M&Aでは投資判断やDCFなどの前提として用い、案件のリスクや資本コストWACC)と整合しているかを確認します。

役割・実務での使われ方

M&Aの投資判断基準

買い手企業は、M&A案件への投資が自社の設定した「期待収益率」を上回るリターンを生む見込みがあるかを厳しく評価します。
期待収益を下回ると判断されれば、投資は見送られます。

企業価値評価(バリュエーション)の基礎

M&Aで最も一般的な評価手法であるDCF法において、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引くための「割引率(WACC)」は、株主や債権者が求める「期待収益率」をベースに算出されます。対象企業のリスクが高いほど投資家の期待収益率は高くなり、結果として割引率が上がり、計算される企業価値(買収価格)は低くなります。

リスクとリターンのトレードオフ

金融や投資の世界では「ハイリスク・ハイリターン」が原則です。
投資家は、リスクが高い案件に対しては、それに見合うだけの高い「期待収益(リスクプレミアム)」を要求します。

注意点

「期待」という言葉が使われていますが、将来の収益を確約するものではありません。

あくまで「平均的」な見込み

期待収益は、さまざまな将来シナリオを確率で加重平均した値であり、実際の結果は上振れすることも下振れすることもあります。
リスク(変動幅)と表裏一体の概念です。

主観的な要素

投資家のリスクに対する考え方(リスク許容度)や市場環境への見通しによって、同じ案件でも要求される期待収益の水準は変化します。
客観的な唯一の正解があるわけではありません。

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