オプション (おぷしょん)
原資産を将来の特定時点(または一定期間)に、あらかじめ決めた価格で買う/売る「権利」を取引する契約です。
権利であり義務ではないため、行使しなくても差し支えありません。
英語表記
Option
役割・実務での使われ方
将来の不確実性に対するリスクヘッジや、柔軟なインセンティブ設計として非常に重要な役割を果たします。
アーンアウト条項の代替・補完としての活用
M&A成立後の業績達成度合いに応じて、買い手が追加で株式を買い増す、あるいは売り手が残りの株式を売却する権利を持つことで、企業価値評価(バリュエーション)のギャップを埋める手段として使われます。
役職員へのインセンティブ(ストックオプション)
対象会社のキーマンに対し、将来あらかじめ決めた価格で自社株を買う権利を付与します。
統合プロセス(PMI)において、企業価値向上へのモチベーションを維持する重要な施策となります。
段階的な買収(ステップ・アップ・アクイジション)
最初に過半数未満を取得し、数年後に残りの株式をあらかじめ決めた価格で取得できる「コールオプション」を契約に盛り込むことで、リスクを抑えつつ段階的に経営権を移転させることが可能です。
注意点
プレミアム(オプション料)の発生
権利を得るためには、対価として「プレミアム」を支払う必要があります。権利を行使しなかった場合でも、この支払ったプレミアムは戻ってきません。
権利行使期間の制限
オプションには有効期限があります。期限を過ぎると権利は消滅するため、実務上は行使タイミングの管理が極めて重要です。
複雑な設計と評価
行使条件(業績連動など)の設計や、オプション自体の公正価値の算定には高度な専門知識が必要となり、契約書への落とし込みも慎重に行う必要があります。