用語集

Glossary

利益相反 (りえきそうはん)

職務上優先すべき利益と、当事者や別の立場の利益が競合・相反する状態を指します。
会社法上は取締役の自己取引などが典型で、M&AではMBOや親子間取引、アドバイザーの利害重複で表面化しやすい論点です。
対策は、特別委員会の設置、第三者による評価意見、マジョリティ・オブ・マイノリティ(MOM)の条件設定、関連当事者取引の承認・情報開示など。

英語表記

Conflict of Interest

役割・実務での使われ方

M&Aで「構造的利益相反」が起こりやすいケース

M&Aにおいて、売り手と買い手の立場が重複する場合、構造的に利益相反が発生しやすくなります。
典型的な例がMBO(経営陣による買収)や親会社による子会社の完全子会社化です。

MBOの例: 経営陣は、会社の取締役として「株主のために少しでも高く売る義務」を負う一方で、買収者個人としては「少しでも安く買いたい」と考えます。
この一人二役の状態が、構造的な利益相反です。

一般的な企業統治(ガバナンス)での使われ方

会社法では、取締役が会社と取引を行う「自己取引」や、会社と競合する事業を行う「競業取引」などを利益相反取引として規制しており、取締役会の承認や報告を義務付けています。これは、取締役が自らの地位を利用して会社の利益を犠牲にし、自分や第三者の利益を図ることを防ぐためです。

注意点

完全に回避できない場合がある

MBOのように、取引の構造上、利益相反が避けられないケースがあります。
重要なのは利益相反自体を完全に無くすことではなく、そのリスクを認識した上で公正性を担保するための適切な手続きを踏むことです。

公正性担保のプロセスを怠るとリスク増大

利益相反の状態を放置してM&Aを進めると取引価格の妥当性が疑われ、後になって株主から損害賠償請求訴訟を起こされたり、取引自体が無効となったりするリスクがあります。そのため実務では、独立した外部専門家で構成される特別委員会の設置や、第三者機関からのフェアネス・オピニオン(価格の妥当性に関する意見書)の取得、少数株主の過半数の賛成を条件とするマジョリティ・オブ・マイノリティ(MOM)の採用など、客観性と公正性を確保するための措置が講じられます。

関連用語