用語集

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リスクフリーレート (りすくふりーれーと)

投資において、元本割れや利払いの遅延といったリスクが「ほぼゼロ」とみなされる安全な資産から得られる利回りのことです。
日本語では「無リスク金利」とも呼ばれます。典型的には国債の利回り(日本では日本国債)が用いられ、元本割れや利払い遅延の可能性が極めて低いと考えられるため、投資判断や企業価値評価の基準として広く使われています。M&A評価では、リスクフリーレートを起点に企業特有のリスクを加味することで、株主が求めるリターンや割引率を設定し、DCF法などの企業価値評価に反映させます。

英語表記

Risk-Free Rate (RFR)

役割・実務での使われ方

「期待リターン」を計算する際の「土台」

M&Aの企業価値評価(バリュエーション)において、投資家や買い手企業が対象会社に求める「期待リターン(割引率)」を算出するためのスタート地点(基準点)になります。 どんなにリスクの高い投資であっても、「国債で確実に貰える金利」より低いリターンで投資する人はいません。そのため、すべての期待リターンは、このリスクフリーレートをベースとして積み上げ計算されます。

M&A実務での使われ方(企業価値評価の基礎)

M&Aにおける企業価値評価、特に将来の収益力を現在価値に換算する、インカムアプローチDCF法など)において極めて重要な役割を果たします。

割引率の決定要因: 将来のキャッシュフローを現在の価値に割り引くための「割引率」を設定する際、その計算の出発点となります。
資本コストの算出: 具体的には、株主が期待する利回りである「株主資本コスト」を計算するモデル(CAPMなど)において、基礎となるリターンとして使用されます。

最終的に、これが「加重平均資本コスト(WACC)」の計算にも影響を与えます。リスクフリーレートが上昇すると、計算、割引率が高くなり、算出される企業価値は低くなる傾向があります。逆に低下すれば企業価値は高く評価されやすくなります。

注意点

「実質的な」無リスク資産を選ぶ

理論上は「リスクがゼロ」の資産ですが、現実には国債であっても債務不履行リスクが完全にゼロとは言い切れません。
実務では、日本国債や米国国債など、信用力が極めて高く、流動性(売買のしやすさ)が高い先進国の国債利回りを使用するのが一般的です。

評価期間との整合性(期間構造)

参照する国債の「期間(年限)」も評価結果に影響します。
M&Aの企業価値評価では、企業が長期にわたって事業を継続することを前提とするため、通常は長期国債(10年物国債など)の利回りが採用されることが多いですが、評価の前提によっては異なる期間の金利が使われることもあります。

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