用語集

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配当所得 (はいとうしょとく)

企業が稼いだ利益の一部を、株主に対して還元する「配当金」を受け取った際に生じる所得のことです。
一般的な株式投資における配当金のほか、M&Aの実務においては「みなし配当」として非常に重要な意味を持ちます。

英語表記

Dividend Income

役割・実務での使われ方

M&Aスキーム選定時の「手残り額」シミュレーションの軸

M&Aにおいて、売り手であるオーナー個人の手元に最終的にいくら資金が残るか(税引後手取額)を計算し、最適な売却スキームを決定するための重要な比較要素となります。通常の株式譲渡(約20%の分離課税)とするか、対象企業に自社株を買い取らせて「みなし配当」として処理するかで税率が大きく変わるため、手取り額を最大化するための最重要パラメーターとして機能します。

(買い手企業側)買収後の資金還流と税務メリットの判断

個人の売り手にとっては重い税負担となり得る配当所得ですが、法人(買い手企業や親会社)にとっては意味合いが異なります。買収した子会社から親会社へ配当金を出す場合、法人税のルールである「受取配当等の益金不算入」制度により、この配当所得の一部または全額が非課税となります。買収資金の早期回収や、グループ内の効率的な資金移動を計画する上での基礎データとなります。

組織再編における「意図せぬ課税」のスクリーニング

合併や会社分割などの組織再編を実行する際、株主へ交付する対価の種類や渡し方によっては、税務署から「実質的に配当を受け取った(みなし配当)」と認定されるケースがあります。M&Aのスキーム策定の初期段階において、株主に対して予期せぬ配当所得(多額の税負担)が発生するリスクがないかを検証・スクリーニングする役割を持ちます。

注意点

非上場企業の配当は「総合課税(最大約55%)」となるリスク

上場企業の配当金は分離課税を選択できますが、M&Aの対象となる「非上場企業」の配当所得(みなし配当を含む)は、原則として総合課税となります。役員報酬などの他の所得と合算され、累進税率によって最大で約55%という極めて重い税負担が発生する点に最大の注意が必要です。

個人株主と法人株主で税務上の取り扱いが全く異なる点

配当を受け取るのが「個人(オーナー社長など)」の場合は多額の税金が発生するデメリットになりやすいですが、受け取るのが「法人(持株会社など)」の場合は益金不算入によりメリットになることもあります。誰が配当を受け取るかによって税負担が180度変わる点に留意が必要です。

専門家による事前の税務シミュレーションが不可欠

通常の株式譲渡のつもりでも、スキームの組み方(現預金を先にオーナーに還元してから売却するなど)によっては、実質的にみなし配当が発生する落とし穴があります。基本合意に至る前の早い段階で、M&Aに精通した税理士等へ複数のパターンで税務シミュレーションを依頼することが必須です。

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