プロキシーファイト (ぷろきしーふぁいと)
株主総会における議決権行使の代理権(プロキシー)を巡り、会社側(経営陣)と株主側(対立株主)が、自らの提案を可決させるために多数派工作を行うことです。
双方が他の株主に対し、自社の経営方針や提案の正当性を訴え、委任状の獲得を競い合います。M&Aの実務においては、敵対的買収の場面で多く見られます。
買収側が現経営陣の同意を得られない場合、経営陣の刷新や買収防衛策の廃止を株主提案し、その賛同を集める手段として実行されます。
企業の支配権(コーポレート・コントロール)を巡る重要な手法の一つです。
英語表記
Proxy Fight
役割・実務での使われ方
敵対的買収における突破口
M&Aの実務では、買収防衛策を導入している企業や頑なに買収を拒否する経営陣に対し、買収者側が取締役の解任・選任を株主総会で提案し、経営権を奪取するために行われます。TOB(株式公開買付)とセットで行われることが多く、株主の支持を得て経営陣を入れ替えることで、買収を成立させる狙いがあります。
アクティビストによる「株主還元の要求」
買収目的以外でも、物言う株主(アクティビスト)が、増配や自社株買い、政策保有株式の売却などを求めて会社側と対立する際に行われます。
プロキシーファイトに至る前の段階で、会社側が要求を一部受け入れる(妥協する)ケースも増えており、経営陣に対する強力なプレッシャーとして機能しています。
注意点
莫大なコストと労力
委任状を集めるためには、膨大な数の株主への郵送費、広告費、法律事務所やPR会社へのコンサルティング費用など、数億円単位のコストがかかる場合があります。
また、メディアを通じたネガティブキャンペーン合戦になり、企業イメージが損なわれるリスクもあります。
法的規制(委任状勧誘規則)
金融商品取引法に基づき、委任状の勧誘には厳格なルールが設けられています。
参考書類の記載内容や勧誘方法に不備があると、議決権が無効になる恐れがあるため、高度な専門知識が必要です。