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単元株制度 (たんげんかぶせいど)

一定数の株式をまとめて「1単元」とし、1単元につき1つの議決権を付与する会社法上の制度です。
株主総会での議決権行使や株式売買の基本単位となり、現在、上場企業の1単元はすべて「100株」に統一されています。会社は定款によって1単元の株数を設定できます。1単元に満たない「単元未満株」を持つ株主には議決権がありませんが、配当金などを受け取る権利は認められています。

英語表記

Share Unit System

役割・実務での使われ方

M&Aにおける「スクイーズアウト(少数株主の排除)」の基盤

M&Aによる完全子会社化(100%買収)を目指す際、一部の少数株主が株式の売却に応じてくれないケースがあります。
このとき、単元株制度と株式併合を組み合わせることで、対象の株主が持つ株式を「1単元未満(=議決権なし)」の状態に強制的に変動させ、最終的に会社が金銭を交付して株式を買い取る手続き(スクイーズアウト)の法的な基盤としての役割を果たします。

一般的な使われ方(株主管理コストの削減と流動性の向上)

上場企業においては、1単元を100株に統一することで、投資家にとっての売買の分かりやすさ(流動性)を向上させる役割があります。
また、企業側にとっても議決権を持たない単元未満株主には株主総会の招集通知を送る必要がないため、株主管理にかかる事務手続きや郵送コストを大幅に削減できるという実務的なメリットがあります。

注意点

単元未満株でも「財産的権利」は残る

議決権がないからといって、単元未満株主の権利がすべて消滅するわけではありません。
配当金を受け取る権利(剰余金分配請求権)や、会社が解散した際の残余財産分配請求権は残ります。また、株主側から「自分が持っている単元未満株を買い取ってほしい」と会社に要求する「買取請求権」も認められているため、M&A後の株主対応には一定の注意が必要です。

スクイーズアウト時の「価格決定リスク」

単元株制度を利用して株式併合を行い、少数株主スクイーズアウトする際、その買い取り価格に不満を持つ株主から「価格決定の申立て」を裁判所に起こされるリスクがあります。適正な手続きと公正な価格算定(バリュエーション)を行わなければ、後々大きな法務トラブルに発展する恐れがあります。

定款変更のハードル

単元株数の設定や変更は「定款変更」にあたるため、株主総会特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)が必要になります。
M&Aのスキームに単元株制度の変更や株式併合を組み込む場合は、確実に特別決議を可決できるだけの議決権を買い手が確保しているかが重要になります。

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