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特別決議 (とくべつけつぎ)

株主総会で会社の根幹に関わる事項を決める際の厳格な決議方法です。原則として「議決権を行使できる株主の過半数が出席」し、「その出席株主の議決権の3分の2以上の賛成」で成立します。対象は、定款変更、資本金の減少、合併・会社分割・株式交換/移転、解散などです。M&Aでは組織再編や完全子会社化の承認で必須となる場面が多い基礎知識です。

役割・実務での使われ方

M&Aや会社の根本に関わる重要事項を決める際、普通決議(過半数)よりも慎重な判断を求めるために設定された決議要件です。
実務上は以下の3つの場面で「3分の2」の確保が焦点となります。

組織再編・M&Aの承認

合併契約、株式交換、株式移転、会社分割などの組織再編行為や、事業の全部(または重要な一部)譲渡を行うには、原則として株主総会の特別決議が必要です。

定款変更(商号・目的・発行可能株式総数など)

会社名(商号)を変えたり、事業目的を追加したりする「定款変更」は特別決議事項です。
M&A後に社名を変更したり、新株発行枠を広げたりする際にも必要となります。

スクイーズアウト(少数株主の排除)

M&Aの仕上げとして、残った少数株主から強制的に株式を買い上げて100%子会社化する場合、「株式併合」などの手法が使われますが、これも特別決議が必要です。
つまり、3分の2以上の議決権を確保できれば、残りの反対株主を排除して完全支配が可能になります。

注意点

「定足数」の確認

特別決議を行う前提として、原則「議決権の過半数を持つ株主の出席」が必要です(定足数)。ただし、定款で「3分の1以上の出席」へと緩和することができ、緩和している会社も多くなっています。M&A前には必ず対象会社の定款(定足数の緩和規定があるか)を確認します。

特殊決議との違い

さらに要件が厳しい「特殊決議」もあります(総株主の半数以上かつ議決権の3/4以上など)。
これは、譲渡制限株式を導入する定款変更など、既存株主に極めて大きな不利益が生じる可能性がある場合に限定されます。

3分の2「以上」と3分の1「超」

法律用語では「以上」はその数字を含み、「超」は含みません。

賛成がちょうど66.66…%(3分の2) → 可決
反対がちょうど33.33…%(3分の1) → 阻止できない
反対が33.4%(3分の1超) → 否決(阻止成功)

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