黄金株 (おうごんかぶ)
株主総会や取締役選任・合併などの重要議案を、少数保有でも否決できる権利を付与した拒否権付種類株式です。
敵対的買収の防衛や事業承継で経営権を守る目的で活用され、発行には定款変更などの手続きが伴います。
なお、株主平等やガバナンスへの影響に配慮が必要で、上場企業での運用は限定的です。
英語表記
Golden Share
役割・実務での使われ方
敵対的買収への防衛策
予期せぬ買い手から敵対的なM&Aを仕掛けられた際、経営陣が防衛のために用いる強力な手段です。たとえ買い手が過半数の株式を取得したとしても、合併や取締役の解任といった重要議案に対して黄金株の拒否権を発動すれば、買収を実質的に阻止することができます。その強力さから、実際に発動されることよりも「抑止力」としての効果が期待されます。
事業承継における後継者の経営権安定化
中小企業の事業承継において、後継者に株式(経営権)を集中させたいものの、相続対策などで株式が分散してしまうリスクがある場合に有効です。 後継者に黄金株を保有させておくことで、他の親族や株主が多数派となった場合でも、後継者の意に反する重要な決定(会社の売却や後継者の解任など)を防ぎ、安定した会社経営を継続させるための安全装置として機能します。
注意点
導入のハードルが高い
黄金株の発行には、定款の変更が必要です。
定款変更には株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上の賛成など)が必要となるため、既存株主の理解を得る必要があります。
ガバナンス上の懸念と上場企業の制限
「1株1議決権」という株主平等の原則の例外となるため特定の株主(経営者など)に権限が集中しすぎ、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を歪めるリスクがあります。経営者の保身に使われる懸念もあるため、東京証券取引所などの上場ルールでは導入に厳しい制限が設けられており、上場企業での採用例は極めて限定的です。