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拒否権 (きょひけん)

会社の重要事項の決議を“否決できる”権利です。株主総会の特別決議は出席株主の3分の2以上の賛成が必要なため、議決権の3分の1超を持つ株主は実質的に拒否権を持ちます。M&Aでは、定款や株主間契約で「合併・会社分割・新株発行・大型投資・役員の選解任」などを投資家の同意事項(保護条項)とし、少数株主の権利保護に用いられます。

役割・実務での使われ方

拒否権は「会社を支配する(51%以上)」まではいかなくとも「自分たちの意に沿わない決定を阻止する」ために使われます。大きく分けて3つのパターンがあります。

会社法上の拒否権(33.4%超の保有)

議決権の「3分の1超」を保有することで、株主総会の特別決議(合併、事業譲渡、定款変更など)を単独で否決できます。
創業者が引退後も一定の影響力を残したい場合や、親会社が子会社を上場させる際などに、この比率を維持しようとします。

契約上の拒否権(投資契約・株主間契約)

ベンチャーキャピタル(VC)等の投資家が入る際、持株比率が数%であっても、「役員の選任」「予算の承認」「新たな借入」などの重要事項について、「投資家Aの事前の同意を要する」という契約を結ぶことが一般的です。これも実質的な拒否権です。

種類株式による拒否権(黄金株)

たった1株持っているだけで、特定の重要議案(合併や社長解任など)を拒否できる「拒否権付種類株式」です。敵対的買収防衛策や、事業承継時の後継者コントロール用として使われます。

注意点

「デッドロック(膠着状態)」のリスク

M&Aで合弁会社(ジョイントベンチャー)を作る際、お互いに公平にしようとして「50%:50%」で出資すると危険です。意見が割れた際にどちらも過半数を取れず、何も決められない状態(デッドロック)に陥り、会社が機能不全になります。これを防ぐため、あえて「51%:49%」に差をつけるか、明確な紛争解決条項を設ける必要があります。

「以上」と「超」の厳密な管理

33.3%(3分の1)保有: 拒否権はありません。(相手が66.7%で可決できてしまうため)
33.4%(3分の1超)保有: 拒否権が発生します。
この「0.1%」の差が致命的になるため、株数管理は厳密に行う必要があります。

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