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コントロールプレミアム (こんとろーるぷれみあむ)

企業の経営権(支配権)を獲得するために、本来の株式価値(市場株価など)に上乗せして支払われる追加の対価のことです。
支配権を持たない少数株主の株式価値と比較して、支配権を持つ株主が享受できる価値の上乗せ分を指します。

英語表記

Control Premium

役割・実務での使われ方

「買収プレミアム」との違いと構造

実務上、両者は混同されがちですが、厳密には以下のように区別されます。

コントロール・プレミアム:誰が買収したとしても、経営権を握ることで一般的に享受できる価値(自由な意思決定、経営資源の再配分など)に対する対価です。
買収プレミアム市場株価に対し、買い手が最終的に支払う上乗せ額の総称です。これは、「コントロール・プレミアム」を基礎としつつ、さらにその買い手固有のシナジー効果や、競合他社に勝つための「戦略的な上乗せ」が加算された結果の総額となります。

バリュエーション実務での利用

非上場企業の価値を評価する際、類似する上場企業の株価倍率(マルチプル)を参考にすることがあります。
上場企業の株価は通常「支配権のない少数株主としての価値」で形成されています。
そのため、M&Aで支配権を獲得する価格を算定するには、この少数株主価値に「コントロール・プレミアム」を加算調整するプロセスが必要となります。

注意点

個別シナジーとの混同

コントロール・プレミアムは、あくまで「一般的な支配権の価値」です。
特定の買い手との間でしか生まれない「個別具体的なシナジー効果」は、本来コントロール・プレミアムとは区別して評価されるべきです。
これらを混同すると、プレミアムの根拠が曖昧になり、高値づかみの原因となります。

DCF法との関係(二重計上の回避)

DCF法で事業計画にすでにシナジー効果を織り込んでいる場合、算出された価値には理論上支配権の価値が含まれています。
ここにさらにコントロール・プレミアムを加算すると、価値の二重計上となるため注意が必要です。

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