吸収合併 (きゅうしゅうがっぺい)
二社のうち一社だけを存続させ、他社(消滅会社)の権利義務を存続会社が一括承継する合併手法です。
契約・許認可・資産負債を包括承継でき、組織を迅速に一本化できます。
主な手続は合併契約の締結、株主総会の特別決議、債権者保護手続きなど。対価は存続会社株式(現金併用可)が一般的です。
新会社を設立する新設合併とは異なり、法人格は存続会社に集約され、M&A再編やグループ内統合で広く用いられます。
吸収合併とは?(新設合併との違い)
役割・実務での使われ方
最大の特徴:包括承継
消滅会社が持っていた資産、負債、契約、許認可、従業員などを、原則として手続きなしにまとめて存続会社が引き継ぎます(包括承継)。
事業譲渡のように個別の契約を結び直したり、許認可を取り直したりする手間が省けるため、組織再編を迅速に進めたい場合に非常に有効です。
グループ内の子会社統合などで頻繁に用いられます。
主なプロセス
以下の法的手続きが必要です。
合併契約の締結 : 両社の間で合併の条件を定めた契約を結びます。
株主総会の特別決議 : 原則として、両社の株主総会で3分の2以上の賛成を得る必要があります。
債権者保護手続き : 合併に異議のある債権者が申し出られる期間(1ヶ月以上)を設けます。
登記(効力発生): 登記を行うことで合併の効力が発生し、組織が一体化します。
対価の支払い
消滅会社の株主には、対価として存続会社の株式が交付されるのが一般的です(これにより、消滅会社の株主は存続会社の株主となります)。
現金などを対価とすることも可能です。
注意点
新設合併との違い
新しく会社を作ってそこに両社が統合する新設合併と異なり、吸収合併は既存の会社が存続するため、許認可などを引き継ぎやすいメリットがあります。
実務上はほとんどが吸収合併です。
不要な資産・負債も引き継ぐリスク
包括承継はメリットですが、逆に言えば簿外債務や偶発債務といった「引き継ぎたくないマイナス要素」まで全て自動的に引き継いでしまうリスクがあります。
事前のデューデリジェンス(DD)が非常に重要です。