タームシート (たーむしーと)
M&Aにおける取引の基本的な条件を箇条書きなどで簡潔にまとめた「条件概要書」のことです。
本格的な最終契約書を作成する前段階や、基本合意(MOU)を結ぶタイミングなどで提示されます。
記載される主な内容は、買収予定価格、取引手法(株式譲渡など)、想定スケジュール、現在の経営陣の処遇、独占交渉権の有無など多岐にわたります。
一部の条項(秘密保持や独占交渉権など)を除き、原則として法的な拘束力を持たないのが一般的です。
英語表記
Term Sheet
役割・実務での使われ方
M&Aにおける「交渉の土台・設計図」の役割
タームシートは、買収価格やスキーム、経営陣の処遇といった「絶対に譲れない大枠の条件」を可視化し、双方が同じゴールに向かって買収監査(DD)や詳細な交渉を進めるためのロードマップとしての役割を果たします。
一般的な使われ方(スタートアップ投資や大型契約)
M&Aに限らず、ベンチャーキャピタル(VC)がスタートアップ企業に資金手当てを行う際の「投資条件書」としても頻繁に用いられます。企業評価額(バリュエーション)や投資額、役員派遣の有無などを事前にすり合わせる際に使われます。また、大型の不動産売買やジョイントベンチャー(合弁会社)設立など、複雑なビジネス取引全般の初期段階で広く活用されています。
注意点
「法的拘束力の有無」の明確な切り分け
タームシートの中で最もトラブルになりやすいポイントです。全体としては法的拘束力を持たないのが原則ですが、「秘密保持」「独占交渉権」「準拠法・管轄裁判所」といった一部の条項には法的拘束力を持たせるのが一般的です。どの条項が拘束力を持つかを書面上に明記しておかなければ、後々大きな法的紛争に発展するリスクがあります。
価格変動リスク
タームシートに記載された「買収予定価格」は、あくまでその時点での想定額であり、その後の買収監査(DD)の結果次第で減額される可能性があります。