用語集

Glossary

アドバイザリー契約 (あどばいざりーけいやく)

M&Aの相手探し・条件交渉・最終契約までを専門家に委託する業務契約です。
売り手・買い手いずれの立場でも締結し、契約形態( FA仲介)や交渉方式、報酬(着手金・中間金・成功報酬)を事前に定めます。
機密管理と役割分担を明確にし、進行の質とスピードを高めます。

英語表記

Advisory Agreement / Engagement Letter

役割・実務での使われ方

M&Aのプロセスにおいて、この契約は「検討の正式なスタート地点」となります。主に以下の3つの重要な要素を定義する役割を担います。

契約形態の定義(「仲介」か「FA」か)

依頼する専門家が、売り手と買い手の間に立つ仲介なのか、依頼者の利益最大化を目指すFAなのかを明確にします。
これは、後述する利益相反の構造に関わる重要な点です。

業務範囲の特定

専門家がどこまでの業務を支援するのかを定めます。
一般的には、M&A戦略の策定支援、候補先の選定・打診(ソーシング)、条件交渉、デューデリジェンスの調整、最終契約書の調整、クロージング支援などが含まれます。

報酬体系の決定

M&Aの手数料は高額になるため、その体系を明確に定めます。
一般的には、契約時に支払う「着手金」、基本合意時などに支払う「中間金」、M&A成立時に支払う「成功報酬」の組み合わせで構成されます。

注意点

専任条項(テール条項含む)

契約期間中、他のM&A業者への依頼を禁止する「専任条項」が設けられることが一般的です。
また、契約終了後であっても、契約期間中に紹介された候補先と一定期間内にM&Aが成立した場合に報酬請求権が発生する「テール条項」の有無と期間も重要です。

利益相反の理解(仲介契約の場合)

日本のM&A実務では、売り手と買い手の双方とアドバイザリー契約を結ぶ「仲介方式」が多く採用されています。
この場合、仲介者は中立的な立場となるため、構造的な利益相反が生じる可能性があります(例:売り手は高く売りたいが、買い手は安く買いたい)。
この点を理解し、同意した上で契約する必要があります。

報酬発生のタイミングと条件

特に成功報酬がどの時点で発生するのか(最終契約締結時か、決済完了時か)、またM&Aが途中で破談になった場合、中間金や実費の扱いはどうなるのかを確認しておくことがトラブル防止につながります。

関連用語