用語集

Glossary

公開会社 (こうかいがいしゃ)

発行する株式の全部または一部について、譲渡に会社の承認を必要としない(譲渡制限がない)株式会社のことです。これは会社法上の定義です。
大きな特徴は、誰でも自由に株式を買ったり売ったりできる点です。株式市場に上場している「上場企業」は必ず公開会社ですが、非上場企業であっても、定款で譲渡制限を設けていなければ公開会社に分類されます。

英語表記

Public Company

役割・実務での使われ方

M&Aにおける「機動的な株式譲渡」の実現

公開会社は株式の譲渡に取締役会株主総会の承認が不要であるため、理論上は株主間の合意のみで迅速に株式を移転させることができます。M&Aの買い手にとっては、譲渡制限会社を買収する際に発生する「会社への譲渡承認請求」などの煩雑な法的手続きを省略できるため、機動的な買収(クロージング)を進めやすいという実務上の特徴があります。

資金調達の円滑化(一般的な使われ方)

株式を自由に売買できるということは、投資家にとって「いつでも現金化できる(流動性が高い)」ことを意味します。
そのため、広く一般の投資家やベンチャーキャピタルなどから多額の資金を集めやすく、企業の急成長を支える資本政策の基盤としての役割を果たします。

注意点

「非上場=非公開会社」という思い込みリスク

M&A仲介の実務において最も陥りやすい罠です。「上場していない中小企業だから当然譲渡制限会社だろう」と思い込んで手続きを進めると、実は定款上「公開会社」であり、取締役会の設置義務など会社法上の機関設計に関する法令違反が後から発覚するリスクがあります。案件化の際は、必ず履歴事項全部証明書(登記簿)と定款を突き合わせて確認する必要があります。

「敵対的買収」のリスクと防衛策の必要性

株式が自由に譲渡できるということは、会社の経営陣にとって好ましくない第三者(競合他社やアクティビストなど)であっても、自由に株式を買い集めることができるということです。M&Aの標的になりやすいため、経営陣は常に株主の動向を把握し、有事の際の買収防衛策を検討しておく必要があります。

厳格なガバナンス(機関設計)の義務

会社法上、公開会社は必ず取締役会を設置しなければならず、原則として監査役の設置義務なども生じます。小規模な企業が安易に公開会社になってしまうと、これらの機関を維持・運営するためのコストや法務・コンプライアンス面での管理負担が重くのしかかる点に注意が必要です。

関連用語